米国西海岸就航65周年を迎えた今年、日本航空(JAL/JL、9201)は成田-シアトル線を1992年以来27年ぶりに復活させた。シアトルを目的地とする渡航需要に加え、同地を拠点とするアラスカ航空(ASA/AS)とのコードシェア(共同運航)により、アジアと北米を結ぶ乗り継ぎ需要を取り込む体制も整えた。西海岸のJALの就航地は、65周年のサンフランシスコ、60周年のロサンゼルス、2012年12月2日就航のサンディエゴ、シアトルの4都市になった。
一方で、キャセイパシフィック航空(CPA/CX)が今年3月31日から香港-シアトル線、シンガポール航空(SIA/SQ)が9月3日からシンガポール-シアトル線を直行便で開設。成田空港でアジアと北米を結ぶという日系航空会社の戦略に、正面からぶつかる路線が増えたと言える。
日系では、全日本空輸(ANA/NH)が2012年7月25日に成田-シアトル線を開設。お膝元の米系はデルタ航空(DAL/DL)が同路線を運航しており、2020年3月開始の夏ダイヤでデルタは羽田空港に移る。
アジアと北米を結ぶ路線の競争が激化する中、JALは成田-シアトル線で、どのような利用者を取り込むのだろうか。JALシアトル支店の山田公正支店長に聞いた。
—記事の概要—
・非日系重視のモデルケース
・20年に空港拡張
・日本人が求めるもの、全部ある
*第1回はこちら。
非日系重視のモデルケース
「今までのJALは、日本のお客様に支えられてきました。8割が日本人で、なかなか海外発の需要を取り込むのが難しい。中期経営計画でも海外発を5割にする目標を掲げており、代表格がシアトルなんです」と、山田さんは説明する。すべり出しの1カ月は外国人客が8割近い数字だったことから、初年度が目標通りになるかがポイントになる。
シアトルでの乗り継ぎは「多い日は6割、少なくても4割で、成田も近い数字になっています。シアトルは非日系マーケットを重視したモデルケースの路線でもあります」と、狙い通りの状況だという。そして、乗客全体の3割が商用渡航、残り7割が観光など商用以外の目的で利用しているそうだ。
週7往復(1日1往復)のデイリー運航となるこの路線の機材はボーイング787-8型機で、ビジネスクラスにフルフラットシートを採用した「スカイスイート787」(SS8)の一部を改修した新2クラス機。既存の3クラス161席となるE11仕様(ビジネス38席、プレミアムエコノミー35席、エコノミー88席)から1列あたり7席のプレエコをなくし、25席増やした2クラス186席のE12仕様(ビジネス30席、エコノミー156席)を投入している。2クラス化の一方で、エコノミーは787ではJALのみになった1列8席仕様を維持し、9席の他社と快適性で差別化を図る。
「現場としてはプレエコは欲しいですね。営業上は大きなハンデですが、結果はプレエコがなくても埋まっている状況です。プレエコがない分、多くの方に利用していただいていると言えます」と、現在の市場環境では2クラス化が奏功しているという。この背景には、アメリカン航空(AAL/AA)との
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