9月1日に羽田-福岡線に就航した日本航空(JAL/JL、9201)のエアバスA350-900型機。冬ダイヤ初日の10月27日から羽田-札幌線、2020年2月1日からは3路線目の羽田-那覇線に就航する。台風19号が上陸する直前の12日には2号機(登録記号JA02XJ)が就航し、受領済みの3機がすべて定期便に投入された。
JALのA350-900は初号機から3号機までが特別塗装機で、機体後部にA350のロゴを大きく描き、初号機は“挑戦”を示す「レッド」、2号機は“革新”の「シルバー」、3号機は“エコ”の「グリーン」を採用した。翼端はいずれもJALのシンボルカラーである赤を配した。エンジンは、英ロールス・ロイスがA350に独占供給するトレントXWBを搭載する。
那覇に初飛来したのは3号機(登録記号JA03XJ)。この写真特集では、第1回で那覇到着時の様子、第2回では羽田や福岡での公開時に取材できなかった貨物室の写真を掲載した。那覇ラストとなる今回はコックピットを取り上げる。
福岡や訓練飛行に続いて、A350運航乗員部で副部長を務める杉本恒機長にコックピットを案内していただいた。JALにとって、エアバス機は統合前の日本エアシステム(JAS)が導入したA300-600R(退役済み)に続いて2機種目だが、操縦桿にサイドスティックを採用したエアバス機は初めてだ。
大型ディスプレーが6つ並び、従来操縦桿があった場所には引き出し式のテーブルがあり、パソコンのようにキーボードも使用できる。中央モニター下にはボールペンなどを置けるくぼみを設けるなど、実用的な構造になっている。シートの位置も「C-3」というように座りやすい位置の目盛りの位置を覚えておけば、乗務のたびに同じ位置を再現できる。「モニターやキーボードがあるので、空飛ぶオフィスという感じですね」と、杉本さんは従来のコックピットからの変化をこう表現した。
コックピットらしい1枚を撮ろうと、A350など最近の機体では一般的になってきている「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」を用意していただいた。HUDは高度や速度などの情報がパイロットの正面に映し出されるもので、視線を計器に落とさなくても機体の状況を把握できる。A350では、左側の機長席と右側の副操縦士席いずれもHUDが装備されている。
A350のコックピットは、日本の空を飛ぶ最先端のものと言える。
*写真は16枚(写真下に当日の運航実績掲載)。
10月8日の運航スケジュールと実績
JL4133 羽田(06:00/06:10)→那覇(08:45/08:40)
JL4138 那覇(22:40/22:39)→羽田(9日01:00/9日00:53)
関連リンク
A350就航記念特別サイト(JAL)
写真特集・JAL A350-900 JA03XJ
(1)エコの3号機、那覇でお披露目
(2)沖縄特産品運ぶ貨物室も公開
那覇でお披露目
・JALのA350、那覇でお披露目 グリーンロゴ3号機
3号機就航
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JALのA350就航
・「6年かけ準備した最高の飛行機」
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・JALのA350、シルバーロゴ2号機が羽田到着 レッドの初号機と並ぶ
機内から撮影した離着陸や機内(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・JAL A350 訓練飛行中の機内(ファーストクラス、成田→新千歳)
・JAL A350 成田離陸(機内から見たJA01XJ 訓練飛行)
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訓練飛行公開
・JAL、A350訓練飛行公開 9月に羽田-福岡就航、離着陸時も静かな機内
写真特集・JAL A350-900福岡公開
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(2)クラスJは新レッグレストで座り心地向上
(3)普通席も全席モニター完備
(4)大型モニター並ぶコックピットや落ち着いたラバトリー
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・「パイロットはおもてなしの舞台装置をコントロールする側」 JAL A350運航乗員部長・立花機長に聞く
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