中部空港(セントレア)の島内にあるボーイング787型機を展示する複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS(フライト・オブ・ドリームズ)」は、10月12日にオープン1周年を迎える。1周年を2日後に控えた10日、中部国際空港会社の犬塚力社長が1年間を振り返り、今後開始する新コンテンツを紹介した。
—記事の概要—
・犬塚社長「ほかにはない施設」
・シェイファー社長「常滑なのにシアトル」
・ドリームリフターのシミュレーターも
犬塚社長「ほかにはない施設」
2018年10月12日にオープンしたFLIGHT OF DREAMSは、今年8月30日に開業した愛知県国際展示場と、9月20日に供用を開始したLCC専用の第2ターミナル(T2)の中間に位置。787-8の飛行試験初号機「ZA001」(登録記号N787BA)を中心に、9種類の体験型コンテンツを提供する有料の展示エリアと、飲食や物販などの16店舗が入居する、無料の商業エリアで構成する。ボーイングのオフィシャルグッズを販売する「ボーイングストア」を米国外では初めて常設するほか、商業エリアでは、ボーイングの創業地・米シアトルの街並みを再現する。
累積入場者数は、開業から98日目の今年1月17日に50万人、232日目の5月31日に100万人、346日目の9月22日に150万人に到達。10月9日には160万人に達した。当初、初年度は年間150万人の入場者数を見込んでいたが、予測を上回る来場者数を達成している。
犬塚社長によると、8割以上の利用客が再訪を希望しているという。「機体が間近で商業施設もある。ほかでは例を見ない施設で、高い評価をいただいている」と述べ、セントレアならではの施設に自信を見せた。また、T2開業による来場客増や利用客の回遊増加について「相乗効果で今までよりも多くのお客さまに来ていただいていると実感している」と述べた。
来場者数が予想を上回ったことについて、犬塚社長は「FLIGHT OF DREAMSを目的に(空港に)来ていただいている」と分析する一方、「各空港とも機能強化に努めている。ボーッとしていたら負けてしまう」と述べ、気を引き締めた。
シェイファー社長「常滑なのにシアトル」
10日はボーイング・ジャパンのウィリアム・シェイファー社長も来場。ZA001を目の当たりにし、「常滑にいるのに、シアトルにいるような錯覚。感動している」と語った。
787は機体の構造部位のうち、主翼など35%を日本企業が中部地域で製造している。シェイファー社長は「787は日本とともに作っている。日本とボーイングのパートナーシップの象徴」と謝辞を述べた。
ドリームリフターのシミュレーターも
FLIGHT OF DREAMSは体験型コンテンツを提供する有料の展示エリアと、飲食や物販などの16店舗が入居する、無料の商業エリアで構成。展示エリアは「Flight Park(フライトパーク)」、商業エリアは「Seattle Terrace(シアトルテラス)」と命名している。
フライトパークでは、9種類の体験型コンテンツを、チームラボ(東京・千代田区)がプロデュースしたデジタル映像などを使い展示。4階建ての館内のうち、1階と4階が有料エリアとなる。1周年を迎え新たに開始するのはフライトパーク内のコンテンツで、既存のものに追加する。
機内サービスなど、客室乗務員らの仕事をバーチャル体験できる「Airline Studio」(エアラインスタジオ)では、10月12日から整備士を追加。日本航空(JAL/JL、9201)の整備士風の制服を着用し、架空の世界で機体点検などに挑戦する。
787のコックピットを再現したシミュレーターを操作する「787 Simulator」(787シミュレーター)に、ボーイングが787の大型部位輸送に使用している747-400LCF「ドリームリフター」を、11月9日から追加。羽田空港そばでシミュレーター体験を提供する、LUXURY FLIGHT(ラグジュアリーフライト)が運営するコックピットを再現したシミュレーターで、インストラクターが指導して操縦に挑戦する。入場料のほか、別途料金が必要となる。
このほか、開業1周年記念イベントも開催。10月18日と19日にはドリームリフター見学ツアー、20日にはZA001のクリーニング体験を予定するほか、ボーイングストアでは11月10日にオークションを開催する。
関連リンク
LUXURY FLIGHT
Flight of Dreams
中部国際空港 セントレア
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