日本航空(JAL/JL、9201)は現地時間10月1日、東京-シドニー線就航50周年を迎えたシドニー国際空港で記念式典を開いた。搭乗口では、成田行きJL772便の乗客に搭乗証明書などの記念品が配られた。9月30日夜にはシドニー市内で日豪路線就航50周年パーティーが開かれ、JALのスタッフが歴代制服と来春から導入する新制服を披露した。また、シドニー線の羽田移管についても言及があった。
—記事の概要—
・歴代制服で50周年祝う
・羽田最有力はシドニー
歴代制服で50周年祝う
JALは50年前の1969年9月30日に、羽田-香港-シドニー線として東京とシドニーを結ぶ路線を週2往復で開設。機材はダグラスDC-8-62型機(2クラス146席:ファースト32席、エコノミー114席)で、初便となる羽田発シドニー行きJL771便(DC-8-62、登録記号JA8033、機体名称AMAKUSA)は翌10月1日にシドニーへ到着した。当初は給油のためにマニラを経由していたが、1970年5月24日からはマニラでの乗り降りが可能となり、羽田-香港-マニラ-シドニー線として東京とシドニーをおよそ16時間で結んだ。
1974年2月10日に香港への寄港を休止し、1975年4月2日にはマニラの寄港も取りやめ直行化。1978年5月20日に成田空港が開港後は成田発着となり、1981年7月3日からはシドニー線にジャンボの愛称で親しまれたボーイング747型機が就航した。また、定期便就航前の1963年9月6日には、羽田-シドニー間のチャーター便がDC-8-50で運航された。
JALの日豪路線は現在、成田からシドニーとメルボルンへ週7往復(1日1往復)ずつ運航。成田-シドニー線の機材は787-9(3クラス195席:ビジネス44席、プレミアムエコノミー35席、エコノミー116席)で、成田-メルボルン線には787-8(2クラス186席:ビジネス30席、エコノミー156席)を投入している。
シドニー空港では1日に就航50周年式典が開かれ、搭乗口には客室乗務員の歴代制服を着用したJALのスタッフ8人が登場し、セレモニーに華を添えた。成田行きJL772便(787-9、JA861J)は、乗客187人(幼児0人)を乗せ、定刻より6分早い現地時間午前8時9分にシドニーを出発。成田には5分早着の午後5時に到着した。乗客には搭乗証明書やJALロゴ入りタオル、ボールペンが手渡された。
羽田最有力はシドニー
JALの路線統括本部長の豊島滝三専務によると、シドニー線の需要は観光とビジネスがほぼ半々で、わずかに観光が多いという。搭乗率は90%前後と好調ではあるが、日本の夏にあたる8月前後のシドニー発需要が弱いなど、年間で見ると変動が大きい路線との認識を示した。
豊島専務は就航50周年の節目を迎え、「この50年は決して平坦な道ではなかった」と振り返る。747をシドニー線に就航させた1981年から90年代にかけて、日本人の豪州観光ブームは最高潮に達し、JALでもケアンズやブリスベンへの路線を開設して需要に応じた。それでも供給が追い付かずに、カンタス航空(QFA/QF)から機材を借りて運航していた時代もあったという。
その後、日本国内の景気低迷などにより日豪間の航空需要は激減。JALもほとんどの豪州路線から撤退した。しかし、シドニー線は高需要に支えられ、50年間一度も途切れることなく運航を継続してきたという。「(日豪)双方向の流れは年間100万人と、過去最高の水準に達している。JALも2017年9月にメルボルン線を開設し、需要拡大に対応している」(豊島専務)と、近年の好調ぶりをアピールした。
2020年3月29日からの夏ダイヤで拡大する羽田国際線の昼間時間帯発着枠は、豪州路線の枠をJALも獲得している。具体的なルートは検討中としながらも、豊島専務は「シドニー線は最有力候補」と50周年パーティーの場で語り、羽田-シドニー線の開設を示唆した。
50周年の記念日を“次の50年への初日”と表現した豊島専務は、「みなさまからは『さらにほかの都市へ』との声をいただいている。今後は日豪ネットワークのさらなる拡充を目指していきたい」と、次の節目へ向けての抱負を語った。
*写真は15枚。
運航スケジュール(10月26日まで)
JL771 成田(19:20)→シドニー(翌日06:10)
JL772 シドニー(08:15)→成田(17:05)
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