成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は9月26日、2020年の東京五輪・パラリンピック開催後の訪日客獲得について、開催時の訪日客の満足度向上がカギになるとの認識を示した。
田村社長は、一般的にと前置きした上で「五輪開催国の旅客数は、開催年は対前年比で横ばいか微減になる。開催国は開催決定とともに旅客数が伸び、開催した翌年からまた伸びていく」と事例を紹介。一般の旅客は、開催期間のホテル料金高騰などより、旅行を控える傾向があるとした。
「五輪開催を通じ、日本への関心が高まる。これを訪日につなげることが重要」とした田村社長は、「2020年はしっかりと発信し、期間中の訪日客に満足して帰国してもらう」と述べ、ほかの開催国と同様に翌年からの旅客増加に期待を込めた。田村社長は「2020年がポイントとなる」と強調した。
成田空港は現在、五輪開催に向けターミナルの改修を進めている。すべての利用者に分かりやすい「ユニバーサルデザイン(UD)」の導入やLED照明の採用などでおもてなしを強化する。田村社長は「成田空港の利便性を高め、使ってもらわなければならない」と語り、「航空各社へのマーケティング強化も大切だ」との認識を示した。
東京五輪は2013年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で決定。同年以降の訪日客は大幅な伸びを見せ、好調に推移している。
観光庁が所管する日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数統計によると、2013年は対前年比24.0%増の1036万3904人が来日。訪日客が1000万人を初めて突破した。以降、2014年は29.4%増の1341万3467人、2015年は47.1%増の1973万7409人、2016年は21.8%増の2403万9700人、2017年は19.3%増の2869万1073人と、6年連続で前年を大きく上回っている。
2018年は8.7%増の3119万1856人が来日。政府は訪日客の目標を、2020年に4000万人、2030年に6000万人としている。
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