ソラシドエア(SNJ/6J)の髙橋宏輔社長は、現在進めている機材計画以降の増機について、中古機も視野に検討する考えを示した。13機保有するボーイング737-800型機(1クラス174席)の新造機調達が、737 MAXへの世代交代により難しくなってきているため。
ソラシドは、2011年7月15日に737-800の初号機(登録記号JA801X)を就航させた。2014年9月29日に737-400(1クラス150席)が退役し、現在は737-800の新造機13機で統一している。シートピッチは大手の同型機よりもやや広い32インチ(約81センチ)で、内装にはLED照明など787と同等のものを取り入れた「ボーイング・スカイ・インテリア」を採用。アーチ状の天井やLED照明が特徴で、手荷物収納棚が大型化して設置場所も上方に移動したことで座席スペースを広くした。
2018年10月には、国際線定期便の就航を見据えた新仕様の13号機(JA813X)を受領。ソラシドでは初めて充電用USB端子を設けた。今後は新造機を1機受領する計画で、今年度内に14機体制を構築する見通し。
14号機受領後の機材計画について髙橋社長は9月21日、Aviation Wireの取材に対し、「既存機の置き換えよりも、増機を考えたい。新造機が難しければ中古機も検討する」と述べた。
ソラシドは機材をリース導入しており、今後の機材計画を策定時にリース会社が737-800の新造機を供給できるかがカギを握る。中古機は運航していた航空会社の整備状況によるが、一般的に新造機と比べて整備費用が膨らむリスクがある。
一方、次世代機の737 MAXは墜落事故が2件起きたことから改修が進められており、髙橋社長も様子見の状況だという。「エアバスという選択肢もあるが、使い慣れた機材がよいのでは」として、慎重に選定を進める。
ボーイングのデニス・マレンバーグ会長、社長兼CEO(最高経営責任者)は、737 MAXの運航再開について、今年10-12月期(第4四半期)の早い時期を目指す考えを今月11日に改めて示している。
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ソラシド
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