ボーイングのデニス・マレンバーグ会長、社長兼CEO(最高経営責任者)は現地時間9月11日、墜落事故が相次いだ737 MAXについて、今年10-12月期(第4四半期)の早い時期に運航再開を目指す考えを、米国内で行った講演で改めて示した。
マレンバーグCEOは、「ソフトウェアの作業と並行して、トレーニングパッケージの更新を進めている。FAA(米国連邦航空局)とは日々協議している」と述べ、2件の墜落事故の要因になったとみられる737 MAXで新たに採用した失速防止システム「MCAS: Maneuvering Characteristics Augmentation System(操縦特性向上システム)」の改修が進んでいることを強調した。
「われわれは日々各国の規制当局と協議している。EASA(欧州航空安全局)はシミュレーターを操縦してもらい、質問にも答えた。FAAは他の規制当局との協業する環境を構築している」と説明し、FAAが米国以外の航空当局との調整を進めていることを明らかにした。
「また、われわれは期限を指定したり、政治やその他の考慮事項をこのテーマにするつもりはない」と述べ、当局の判断に委ねる姿勢をみせた。
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