ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のピーチ・アビエーション(APJ/MM)は8月28日、韓国への2路線を運休すると発表した。韓国経済の冷え込みとウォン安により、韓国からの旅行需要が低下しているため。対象となるのは札幌-ソウル(仁川)線と関西-釜山線で、このほか那覇-ソウル線を一定期間のみ運休する。一方で、同じくANAHD傘下のバニラエア(VNL/JW)から引き継ぐ台湾3路線を、10月27日から始まる冬ダイヤ期間で順次開設する。
—記事の概要—
・札幌-ソウル10月、釜山は20年1月運休
・成田・福岡から初の国際線
札幌-ソウル10月、釜山は20年1月運休
札幌-ソウル線は10月27日の運航を最後に運休する。関西-釜山線は2020年1月6日が最後の運航となる。現在1日1往復運航している那覇-ソウル線は、1月28日から2月22日のみ一時的に運休。翌23日から運航を再開する。
日系航空会社として初就航となった札幌-ソウル線は、今年4月25日に開設。1日1往復運航し、午後10時に札幌を出発するスケジュールを設定している。ピーチによると同路線は、高需要期である夏休み期間の搭乗率が見込みを下回ったため、運休するという。運航期間は6カ月間だった。
2013年9月13日に開設した関西-釜山線は、現在も1日1往復運航している。ピーチの釜山線は関西からの1路線のみで、同路線の運休により釜山線がなくなることになる。那覇-ソウル線は2015年9月4日に開設。現在も1日1往復運航する。
成田・福岡から初の国際線
一方でバニラエアが運航している台湾3路線を、冬ダイヤ期間に順次引き継いで開設する。成田-台北(桃園)線と高雄線、福岡-台北線の3路線で、いずれもバニラと同じ便数を運航する。ピーチが成田と福岡から国際線を就航するのは初めて。
バニラ最終日となる10月26日で運航を終了する成田-台北線は、翌27日からピーチが運航。台北発は28日が初便となる。当初1日1往復で開始し、2020年1月21日までに段階的に1日3往復に引き上げる。9月30日がバニラとしての最終運航となる成田-高雄線は、10月27日から1日1往復で再開させる。高雄発は翌28日が初便となる。
成田-台北線同様、10月26日が最終となる福岡-台北線は、ピーチ便として現地時間11月24日に1日1往復で再開。福岡発は翌25日が初便となる。同路線は日系航空会社としては唯一の定期便となる。
今回の台湾3路線の就航日確定により、バニラからピーチへ移管する10路線の運航開始日がすべて確定したことになる。2018年12月17日に両社が統合する路線を発表したときには、台湾3路線のほか関西-奄美大島線と成田-石垣線の就航日は確定していなかった。
台湾3路線の運航スケジュール
成田-台北(10月27日から)
MM627 成田(22:20)→台北(翌日01:45)
MM620 台北(02:30)→成田(06:35)
*MM620便は10月28日から
成田-台北(11月24日から)
MM623 成田(12:40)→台北(16:05)
MM624 台北(11:55)→成田(16:00)
*MM624便は11月25日から。火水は5分、木は15分遅発着
成田-台北(12月1日から)
MM623 成田(12:40)→台北(16:05)
MM627 成田(22:20)→台北(翌日01:45)
MM620 台北(02:30)→成田(06:35)
MM624 台北(11:55)→成田(16:00)
*MM620便は12月2日から
*MM624便は火水は5分、木は15分遅発着
成田-台北(20年1月21日から)
MM621 成田(10:00)→台北(13:25)
MM623 成田(12:40)→台北(16:05)
MM627 成田(22:20)→台北(翌日01:45)
MM620 台北(02:30)→成田(06:35)
MM624 台北(11:55)→成田(16:00)
MM626 台北(15:15)→成田(19:20)
*MM624便は火水は5分、木は15分遅発着
*MM626便は2月1日以降55分早発着
成田-高雄(10月27日から)
MM635 成田(18:50)→高雄(22:40)
MM636 高雄(08:00)→成田(12:15)
*MM636便は10月28日から。月火木のみ15分遅発着
福岡-台北(11月24日から)
MM825 福岡(08:55)→台北(10:40)
MM826 台北(16:55)→福岡(20:10)
*MM825便は11月25日から。月のみ20分遅発着
関連リンク
ピーチ・アビエーション
運休対象の3路線
・ピーチ、札幌-ソウル就航 初の日系参入(19年4月26日)
・ピーチ、那覇-ソウル就航 那覇発着5路線に(15年9月4日)
・ピーチ、関西-釜山と那覇-石垣の2路線就航(13年9月13日)
18年12月以降に就航日が確定した2路線
・ピーチ、関西-奄美12月就航へ キャッシュレス決済で訪日需要強化(19年8月21日)
・ピーチ、成田-石垣線の航空券販売開始 バニラから移管(19年8月27日)
バニラ吸収が進むピーチ
・ピーチ、元バニラ改修初号機の機内公開 12機のA320を年度内刷新(19年7月30日)
・ピーチへの移管初号機“再来日” バニラのA320、年度内に12機改修へ(19年7月13日)
・ピーチ、成田拠点化へ 冬ダイヤ、バニラ吸収で路線増(19年4月18日)
・バニラのA320、ピーチへ移管開始 改修初号機が離日(19年4月12日)
・バニラエア、函館撤退 ピーチへの統合開始(19年3月30日)
・バニラ、19年10月で終了 既存10路線ピーチに、函館など3路線廃止(18年12月17日)
・バニラエア、新社長にピーチ井上CEO 統合向け役員体制変更(18年10月23日)
・ANA、ピーチへバニラ統合 本社一部を東京へ、中距離LCC進出(18年3月22日)
・ANAホールディングス、ピーチを子会社化 片野坂社長「独自性維持する」(17年2月24日)
バニラ最終日は10月26日
・バニラエア、最後の機内食 クリームパンと牛丼カレー、最終日まで(19年6月28日)