日本航空(JAL/JL、9201)は、地域を紹介する「新・JAPAN PROJECT(ジャパンプロジェクト)」で、9月に宮城県を取り上げる。県北部のラムサール条約に登録されている伊豆沼・内沼にやってくる渡り鳥などを機内誌で紹介し、国内線ファーストクラスの機内食では、地元食材を使ったメニューを提供。訪日客の送客も視野に、宮城県をピーアールする。
—記事の概要—
・植木会長「渡り鳥は観光資源」
・銘柄豚JAPAN Xの角煮も
植木会長「渡り鳥は観光資源」
JALは宮城県と2018年3月19日に連携協力協定を締結。協定に基づき、JALは客室乗務員を県に派遣し、地元の旅行業者などに外国人に対する接客ノウハウを提供している。また、インドとタイ、フランスの外国人社員が県内を複数回訪れ、外国人目線の提案をまとめて県に報告している。一方、県もJAL本社へ職員が出向し、人的交流を進めている。
機内誌「SKYWARD」9月号では、越冬のために飛来する渡り鳥を日本語と英語で特集。伊豆沼・内沼の魅力を国内外に発信していく。
宮城県の村井嘉浩知事とともに、宮城県庁で8月21日に記者会見を開いたJALの植木義晴会長は、「渡り鳥は観光資源。9月末から2月にかけてやってくるので、その前に県北の魅力を知っていただきたい」と、9月に取り上げる狙いを語った。「中国や台湾、香港のいわゆる中華圏からの訪日客だけで半数を占める。SNSでの発信など、インパクトがあるこの風景は最高だ」(植木会長)と、宮城県への訪日客の送客に注力したいという。
村井知事は、「機内誌などで取り上げていただくことで、飛行機に乗っている間に宮城に来る動機づけになるのでは」と期待を寄せた。
銘柄豚JAPAN Xの角煮も
国内線ファーストクラスの機内食は、午後5時以降出発便の夕食メニューとして、仙台市内の中華料理店「楽・食・健・美 -KUROMORI-」のオーナーシェフ、黒森洋司氏が監修。3種類のメニューを、上旬、中旬、下旬と10日替わりで提供する。
羽田発9月1日から10日と羽田着21日から30日の便では、メインに「宮城県産帆立の石渡商店XO醤ソース」、羽田発11日から20日と羽田着1日から10日の便では「蔵王フランス鴨の肉団子 黒酢ソース」、羽田発21日から30日と羽田着11日から20日の便では「蔵王JAPAN X豚角煮と丸森町へそ大根の煮込み」を用意する。黒森シェフは「どのメニューにも笹かまぼこを添えており、宮城県とわかるようにした」と説明した。
夕食のお米は、「プレミアムひとめぼれ みやぎ吟撰米」を採用。農薬や化学肥料を通常の半分以下に減らすことを条件に生産され、一等米やたんぱく質の含量など6つの基準をクリアしている。
夕食の茶菓として、エアバスA350-900型機が9月から羽田-福岡線に就航することを記念し、仙台市内のカフェ ミティークによるデザート「REDジュエル」を提供。JALのコーポレートカラーである赤をテーマにしたもので、蔵王クリームチーズにヨーグルトを合わせたオリジナルレアチーズ生地の中に、フランボワーズソースが入っている。
また、日本酒は萩野酒造の「萩の鶴 純米大吟醸」を提供する。
パイロット出身で、航空大学校時代は仙台空港でも訓練したという植木会長は、JALの新入社員研修で仙台空港に配属された経験があり、ダグラスDC-10型機に乗務していた際は、仙台-ホノルル線も担当したことがあるという。仙台など地方発着の国際線が減少した現状を「ちょっと寂しい。チャンスがあれば地方から海外へ飛ばしたい」と語った。
・ファーストクラスはゆとりある個室風 写真特集・JAL A350-900福岡公開(1)(19年8月18日)
・宮城県とJAL、訪日客誘致で連携 CAのおもてなし指南や外国人目線の課題指摘(18年3月19日)
・JAL、仙台-福岡就航40周年 TDAが78年開設(18年3月2日)
・JAL、宮城アンテナショップでPR 東南アジアからチャーター検討(16年7月18日)
・ジェイエア、仙台にE190就航 全便導入へ(16年7月2日)
・JALと宮城県、むすび丸と観光PR 植木社長「訪日客『オールジャパン』で受け入れを」(15年6月22日)
・JAL、本社で東北支援の物販 なまはげやゆるキャラ来場(15年3月13日)