国土交通省は8月8日、羽田空港の飛行経路について、2020年夏ダイヤが始まる3月29日から新経路の運用を開始すると発表した。新経路の運用により国際線の発着回数を3万9000回増やし、年間約9万9000回に拡大する。
今後、飛行検査や試験飛行などを経て、新経路での運航を開始する。
国交省は、新飛行経路の運用などにより羽田空港の機能強化を協議する「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」を開催し、関係自治体らと協議を重ねてきた。8月7日に開催した5回目の協議会で理解を得られたことから、増便を決定した。
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年夏ダイヤまでに、羽田空港の滑走路や飛行経路を見直すことで、1日あたり50枠の増便を決定している。このうち半数近い24枠を米国路線に充て、日米に12枠ずつ振り分ける。
米国側の配分は、米国運輸省(DOT)が決定。デルタ航空(DAL/DL)には5枠、ユナイテッド航空(UAL/UA)に4枠、アメリカン航空(AAL/AA)に2枠、ハワイアン航空(HAL/HA)に1枠、それぞれ割り当てた。
米航空4社に割り当てられた12路線は、いずれも成田の既存路線と重複。路線移管が進んだ場合、成田への影響は避けられそうにない。
関連リンク
羽田空港のこれから(国土交通省)
デルタ羽田に集約へ
・デルタ航空、成田から羽田へ集約 出張需要の取り込み強化(19年8月6日)
今回の申請と暫定割り当て
・羽田米国枠、デルタ航空が最多 米運輸省、12枠暫定割り当て 20年夏(19年5月17日)
・羽田発着枠、米航空4社が申請 20年夏から(19年2月22日)
成田への影響は
・成田空港、羽田増枠でアジア-北米の乗継影響も 12路線重複(19年5月30日)
・成田空港、羽田増枠「影響避けられない」 米申請14路線が重複(19年2月28日)
JALとANAの考え方
・ANAHD片野坂社長、羽田発着枠「米国路線の配分歓迎」(19年2月27日)
・JAL赤坂社長、羽田発着枠「訪日客増と地方活性化に」(19年2月26日)
羽田新ルート
・羽田空港、都心上空通り離発着へ 新ルート了承(16年7月29日)
【お知らせ】
国交省に追加取材したところ、新経路は国内線にも適用するようです。タイトルと第一段落の一部を追記しました。(19年8月9日 17:25 JST)