日本航空(JAL/JL、9201)は、長距離国際線に投入しているボーイング777-300ER型機のシートカバーなどを8月から順次刷新する。「世界に通じる日本の美意識とJALブランドの表現」をコンセプトに、9月から国内線に投入するエアバスA350-900型機の内装と連続性のあるインテリアにリニューアルする。
777-300ERの座席数は4クラス244席で、ファースト8席とビジネス49席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー147席。今回のリニューアルはビジネスとプレエコ、エコノミーのシートカバーを新デザインに変更するもので、シート自体は全クラスを同時刷新した6年前の2013年1月から使用しているものを継続利用する。
ビジネスのシートカバーは従来の赤に近い紫から深みのある藤色に、プレエコは明るい赤からA350のクラスJシートと同様、バックレスト(背もたれ)上側をやや明るいワインレッド、下側から座面を黒のツートンカラーにした。エコノミーも赤系からA350と同様のグレー系に改めた。
機内照明はこれまでは蛍光灯だったが、フルカラーLEDに更新。787などと同じく搭乗時や食後のリラックスタイムなど、シーンに合わせた色のライティングができるようになった。
ギャレー(厨房設備)などのウォール(壁面)デザインも刷新。A350と同じく落ち着いた色調になった。ラバトリー(化粧室)は内装をリニューアルするとともに、これまではファーストとビジネスのみだったウォシュレットを全クラスに装備した。
JALの777-300ERは13機で、全機が羽田-ロンドン線やニューヨーク線などの長距離国際線用。後継機はA350の長胴型A350-1000で、2023年以降の導入を計画している(関連記事)。長距離国際線機材の新シートはこのタイミングで導入するとみられ、777-300ERの現行シート導入から10年でフルモデルチェンジする見通し。
一方、競合の全日本空輸(ANA/NH)は、8月2日から777-300ERの新仕様機を羽田-ロンドン線に投入。ANAの空港ラウンジ監修も手掛ける建築家の隈研吾氏と、英国のデザイン会社Acumenがデザインを監修し、約10年ぶりの刷新となったファーストとビジネスは個室タイプを採用した(関連記事)。
ANAの後継機は開発が進む777Xで、2021年度から受領を計画。しかし、エンジン開発に問題が生じていることから、777Xの初飛行は2020年初頭にずれ込む見通しで、ボーイングはエンジンを開発するGEアビエーションとともに、2020年の納入開始を堅持する方針を示している(関連記事)。
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