成田空港に隣接する航空科学博物館が、開館30周年を迎える8月1日にリニューアルオープンする。これに先立ち7月29日、内覧会が開かれた。
航空科学博物館は、日本初の航空専門博物館として1989年8月1日にオープン。成田空港の地元である芝山町の要望で建設され、これまでに約600万人が訪れた。今回のリニューアルで、成田のA滑走路(RWY34L)を模した玄関アプローチが新設され、フライトシミュレーターなど体験型の展示スペースとして、体験館がオープンする。
—記事の概要—
・737 MAXと777シミュレーター
・本館もリニューアル
737 MAXと777シミュレーター
体験館は2階建てで、ボーイング737 MAXと777のシミュレーターを2階に1台ずつ用意。737 MAXのシミュレーターは、視界が220度のプロジェクター映像を用いた実機さながらのもの。一方777は最小限のシンプルなものにしつつ、車いすでも利用できるようにした。小学4年生以上を対象として、1フライトは5分から10分程度で、737 MAXは1000円、777は500円が別途必要になる。
操縦体験できるコースは成田空港のみで、今後はコース追加を検討していく。1階には200人が収容できる多目的ホール「サイエンスシアター」を設けた。天井高10メートルの吹き抜けを生かし、折り紙飛行機教室などが開催できる。
ガラス張りの壁からは、2011年から公開している747の機首部分「セクション41」を見ることができる。3階には、これまでの展望台の利用が難しかった来館者向けに、バリアフリーに配慮した展望台を設けた。また、航空会社の協力により、秋には2階にモックアップの設置が予定されている。
本館もリニューアル
今回のリニューアルでは、子供たちを中心に航空の仕事に対して興味を持ってもらい、成田空港に親しみを感じてもらう狙いがある。博物館は今回オープンする体験館のほか、本館東棟と西棟からなり、一部をリニューアルした。
東棟は、2階にあるNAA(成田国際空港会社)コーナーをリニューアル。「見て」「触れて」「楽しく学べる」をコンセプトとしたコンテンツを用意した。大型スクリーンで空港の仕事を紹介するものや、機内に積み込むスーツケース目線での搭載の様子のほか、成田に就航する航空機の歴史を写真で展示する。
タテ3メートル、ヨコ10メートルの大型スクリーンを使用するコンテンツ『空港を支えるプロフェッショナルたち』は、空港の仕事全31種類を紹介するアバターを使用。来場者はスクリーン前に設置したタッチパネルで、空港の仕事を学ぶ。自分の顔写真を撮影して各職業のアバターと合成し、スクリーン上に映し出すこともできる。
『スーツケースの旅』は、受託手荷物が飛行機に搭載されるまでの様子をスーツケース目線の映像で紹介。成田空港の歴史を紹介する『NRT Airliners』は、1978年の開港から現在までを、写真家のチャーリィ古庄さんの写真で振り返る。また、顔写真とグラフィックで描かれた制服を合成する『制服で記念撮影』も用意する。
西棟は、747-400の1/8サイズ大型可動模型とコックピットが連動。壁面をスクリーンに見立てた270度のパノラマビジョンが映し出され、実際に操縦しているような感覚を楽しめるようにした。また747のエンジンコーナーはプロジェクションマッピングを用いてい、音と映像で解説する。
リニューアルに伴い、開館以来据え置いていた入館料を8月1日から一部改定。大人をこれまでの500円から700円に改める一方、中高生300円と4歳以上の子供200円は据え置く。
開館記念日でリニューアル初日の8月1日は、午前10時からテープカットセレモニーを開き、先着1000人に記念品をプレゼント。最初の週末となる3日と4日は、30周年記念イベントを開催する。
*写真は16枚。
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