エアライン, 機体, 空港 — 2019年7月29日 18:00 JST

HAC初の機材更新、20年3月就航へ ATR42-600、初号機は特別塗装

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 日本航空(JAL/JL、9201)グループの北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)は7月29日、導入を計画する仏ATR製ターボプロップ機ATR42-600型機について、2020年夏ダイヤが始まる3月29日に就航すると発表した。HAC初の機材更新で、現在運航している3機のサーブ340Bを順次置き換える。

20年夏ダイヤに就航するHACのATR42の模型=19年7月29日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

20年夏ダイヤに就航するHACのATR42の模型=19年7月29日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
北海道イメージの特別塗装機
3機体制維持

北海道イメージの特別塗装機

 HACは2018年7月に開催された英ファンボロー航空ショーで、ATR42の発注に関する覚書(MoU)を締結。3機発注し、このうち確定発注が2機、オプションが1機としていた。座席数はJALグループで鹿児島空港を拠点とする日本エアコミューター(JAC/JC)が導入したATR42-600同様、1クラス48席となる。

 初号機(登録予定記号JA11HC)は11月に鹿児島に到着する。鹿児島での訓練後、2020年初頭にHACの拠点となる丘珠空港に着く見込み。初号機には北海道の大自然をイメージした特別塗装を施す。機体の左右で異なるデザインを採用し、左側は6カ所の就航地を雪の結晶で表現。右側にはシャケやコンブ、ウニなど道の特産品を描いた。デザインは北海道出身のデザイナー、鈴木奈々瀬さんが担当した。

 運航開始は夏ダイヤが始まる3月29日で、ビジネス路線となる丘珠-函館・釧路線を中心に投入。週末や連休などは観光需要に応じた編成も計画する。

 通常デザインとなる2号機(同JA12HC)は、2020年9月に受領し、同年10月の就航を予定している。

就航地を雪の結晶で表現するHACのATR42-600初号機(イメージ、同社提供)

北海道の特産品をデザインするHACのATR42-600初号機(イメージ、同社提供)

3機体制維持

HAC初となる機材更新を説明する大堀社長=19年7月29日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 今後は現在保有するサーブ340Bの退役を進め、ATRに機材更新する。サーブ機とATRを合わせ、現在の3機体制を維持する。札幌市内で会見したHACの大堀哲社長は、サーブ機の退役時期について「適切なときを検討している」とし、具体的な時期については未定とした。また、ATR 1機分のオプションについては「個別契約なので答えにくい」と述べ、明言を避けた。

 HACは、旧日本エアシステム(JAS、現JAL)と北海道による第3セクターとして、1997年9月30日設立。翌1998年3月28日に就航した。機材はサーブ340B(1クラス36席)が3機で、設立20周年の2017年には、就航時から使用してきたラベンダー色のシートから、足もとが広くなった革製新シートに換装している。HACが機材を更新するのは初めてとなる。

 同社がATRを導入したことにより、JALグループが運航するターボプロップ機は、ATRへの統一が進む。HACは現在、340Bの主要な整備をJACに委託しており、ATRも同様の態勢で運航していく。

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