日本航空(JAL/JL、9201)は7月23日、2020年4月から客室乗務員などが着用する新制服を発表した。1年後の2020年7月24日に開幕する東京オリンピック・パラリンピックに合わせ、パイロットや整備士、地上係員などを含む全部門の制服を、2013年以来7年ぶりに刷新する。
*新制服着用初日の記事はこちら。
新制服は客室乗務員のほか、空港の地上係員、パイロット、整備士、グランドハンドリング(地上支援)の各職種に加え、沖縄地区で夏季に着用するかりゆしウェアがお披露目された。
客室乗務員と地上係員の新制服は、ファッションブランド「EZUMi」のデザイナーで、クリエイティブディレクターの江角泰俊さんがデザイン。「ハイブリッド・モダン・ビューティー」をテーマに、「洗練されたハイブリッドビューティー」「ハイブリッドが生み出す、現代的な美しさ」を表現したという。
デザインの選定は、JALグループ社員で構成するプロジェクトチームを中心に、基本コンセプトとコストを総合的に判断した。
—記事の概要—
・客室乗務員・地上係員
・パイロット・整備士・グラハン・かりゆし
客室乗務員・地上係員
11代目となる客室乗務員の新制服は、利用者の意見を今年1月から1カ月間募り、デザインをまとめていく際に参考にしたという。客室乗務員を含むいずれの職種も、現行制服の良さを継承しつつ、動きやすさや快適性を向上しながら、新しいデザインを取り入れた。
JALの赤坂祐二社長は、「実際に着用する現場の社員が中心となって選んだ」と、デザイン選定の経緯を説明。「現在の制服は再建の象徴のようなもので、社員の愛着が強い。新しいものに変えるけれども、いろんな苦労が染みついており、相矛盾する思いがある。私は口出ししていないが、社員の思いがあり、非常にうまく新しい制服を仕上げてくれた」と語った。
客室乗務員の新制服は、女性用ワンピースとパンツスタイル、男性用、エプロンで、このほかに客室の責任者となる先任客室乗務員用を用意。異なる素材を組み合わせるデザイン手法「ハイブリッド」で、機能性や着心地を高めた。ボタンなどにJALのブランドカラーである赤を配した。
スカーフは大判化し、曲線と直線を融合させたデザインを採用。現行制服と同じく、JALグループ各社で異なる色のものを着用する。
江角さんは「鶴をイメージした上品さや優雅さ、エレガントさが核になった」と述べ、袖(そで)の形状に「航空会社の制服では珍しいバルーンスリーブを採用した」という。JALの羽田第3客室乗員部の吉川陽子マネージャーは「袖はモックアップで着用し、どうすればいいかを検証した」と語った。
地上係員やラウンジスタッフなどの地上接客部門は、女性用ジャケット・スカートとワンピース、男性用、ラウンジスタッフ用、接遇スタッフ用を用意。客室乗務員の制服とは色違いにすることで、利用者にもわかりやすくい制服にした。
パイロット・整備士・グラハン・かりゆし
パイロット用の制服は、男女共用が従来のデザインを踏襲しつつ、動きやすさを重視して改良。新たに用意する女性専用は、ジャケットをシングルボタンとし、これまでのネクタイからスカーフに変更した。
整備士のカバーオールとグラハンスタッフの作業着は、デサントジャパンのデザイン。雨衣や防寒衣などのアウター類は、JALとコラボレーションを実施しているモンベルのものを採用した。
沖縄地区で夏季に着用するかりゆしウェアは、江角さんがデザインを監修。デイゴなどる5つの沖縄の花を鮮やかな色彩で配した。今回よりパイロットもかりゆしウェアを着用する。かりゆしウェアは、沖縄県内ですべて生産する。
関連リンク
日本航空
新制服着用初日
・JAL、7年ぶり新制服着用開始 CAは11代目、地上係員7代目(20年4月1日)
写真特集・JAL新制服
(1)CAはパンツスタイル初採用11代目(19年7月27日)
(2)ワンピース初採用の地上係員7代目(19年8月2日)
(3)パイロットは女性専用が初登場(19年8月4日)
(4)整備士・グラハンはデサントとモンベル(19年8月5日)
(5)夏の沖縄はかりゆし着用(19年8月9日)
JALの制服
・JAL、新制服の2020限定スカーフデザイン募集 日本の魅力発信(19年7月24日)
・JAL、新制服デザイン3案公開 利用者の意見募集、2020年刷新(19年1月22日)
・JAL、2020年に制服刷新 東京五輪で空港100億円投資、無料で訪日客の地方送客も(18年8月23日)
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