日本航空(JAL/JL、9201)は7月3日、整備士が国家資格を取得する際の訓練に、VR(仮想現実)を取り入れるトライアルを実施すると発表した。リージョナルジェット機のエンブラエル170(E170)とE190の整備士が対象で、期間は7月から9月まで。
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JALと東芝システムテクノロジー(東京都府中市)が、整備作業時に必要なエンジン試運転の工程をCGで再現したVR訓練教材を開発。E170とE190の整備訓練教官が監修してVR空間を制作し、実際の音声や計器の動きが忠実に再現したという。
この教材により、整備士は実際の機体に近い環境で、時間や場所を問わずエンジン試運転作業を体を動かしながら学べる。訓練後はテストモードで動作の正誤確認ができ、整備士が習熟度を自ら確認しながら学習できる。
JALによると、航空機の信頼性が高まり、不具合が減少した反面、整備士が実機を使って作業を経験する機会も減っているという。VR教材を用意することで、整備士が実機に近い環境で体感しながら学習する機会を作ることが求められていた。
整備士の訓練では、コックピットの模型やシミュレーターを用いて操作を学習している。VR教材を補助ツールとして訓練課程に加えることで、操作の習得が向上するか検証する。
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日本航空
東芝システムテクノロジー
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