日本航空(JAL/JL、9201)は現地時間7月2日、東京-釜山線就航40周年を迎えた釜山金海国際空港で記念式典を開いた。成田行きJL958便の乗客には、搭乗証明書などの記念品が配られた。
—記事の概要—
・3番目の釜山路線
・外国人比率65%
3番目の釜山路線
JALは40年前の1979年7月2日に、成田-釜山線を週3往復で開設。機材はダグラスDC-8-62型機を投入した。JALの釜山乗り入れは、52年前の1967年9月2日に福岡-釜山線をDC-6Bで就航したのが最初で、1971年4月2日には2路線目となる伊丹-釜山線をボーイング727型機で開設している。成田線は3番目の釜山路線で、1994年6月1日からはマクドネル・ダグラスMD-11型機を投入。釜山線がMD-11の国際線初便となった。
現在JALの釜山路線は成田から1日2往復のみで、機材はボーイング737-800型機(2クラス144席:ビジネス12席、エコノミー132席)を全便で使用。韓国路線は成田-釜山線と、1日3往復の羽田-ソウル(金浦)線の2路線のみで、ソウルの仁川国際空港からは、2018年3月24日を最後に撤退している。
2日に釜山空港で開かれた就航40周年式典で、JALのオペレーション本部長で、かつて空港本部長を務めた阿部孝博執行役員は、「釜山空港はすばらしいホスピタリティを発揮している」と、サービス品質の高さに触れた。
「40周年を新たなスタートとして、今後も韓国、釜山の地域社会と航空の発展のために全力を尽くしていきたい」(阿部本部長)と、50周年に向けて抱負を語った。
2日の成田行きJL958便(737-800、登録記号JA303J)は、乗客134人(幼児4人含む)を乗せ、釜山を定刻の午後2時10分に出発した。乗客には記念品として、搭乗証明書やハンドタオル、ボールペンがプレゼントされた。
JALによると、現時点で釜山発着の別路線や機材の大型化、増便などの計画はないという。
外国人比率65%
JALの栗原宏和韓国支店長によると、成田-釜山線の観光と商用渡航の比率は、7対3で観光が多いという。日本人と外国人の割合は「日本人が35%、外国人が65%。韓国人だけではなく、北米へ向かう米国人も全体の2割ほどだ」(栗原支店長)と、外国人比率が高い要因を述べた。
JALは国際線の外国人比率50%を目指しているが、釜山線はすでに外国人が3分の2ほどに達している。一方で、日本人比率の低さが目立つ。
日本から韓国への渡航需要は、李明博元大統領の天皇(当時)侮辱発言や島根県竹島の領土問題などにより、嫌韓感情がこれまで以上に高まったことを契機に、朴槿恵前大統領の反日政策、文在寅大統領による法治国家の概念や国際ルールを無視した対日政策などの影響を受け、低迷が長らく続いている。
しかし、LCCとの料金差が少ない時期を中心に、日本人の若い女性グループのJAL便利用に増加傾向が見られるという。リピーター獲得に向けて「カウンターや機内での接客は“一歩踏み込んでお客様に寄り添う”ことを常に考えている。フルサービス航空会社(FSC)としての強みを伸ばしていく」(栗原支店長)と、LCCに品質で立ち向かう姿勢を示した。
栗原支店長は、「40年間、お客様に支えられてきた歴史は非常に重い。この先10年20年、きちんと引き継いでいくことがとても大事。お客様の求めるものがどんどん変わっていくので、サービスやネットワークなど含め、きめ細かくやっていく」と語った。
*写真は13枚(運航スケジュールは写真下に掲載)。
運航スケジュール(19年8月31日まで)
成田→釜山
JL957 成田(10:50)→釜山(13:05)
JL969 成田(18:20)→釜山(20:35)
釜山→成田
JL960 釜山(07:45)→成田(09:50)
JL958 釜山(14:10)→成田(16:15)
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