ボーイングは現地時間7月1日、次世代情報技術や最先端カメラなどを搭載した777型機の飛行試験を今秋にも実施すると発表した。さまざまな新技術を機体に搭載し、飛行しながら実験する「ボーイング・エコデモンストレーター・プログラム」の一環として行う。
現在予定している今秋の飛行試験では、50種類の新技術が対象。管制やコックピットと航空会社のオペレーション・センター間でデジタル情報を共有し、進路の効率化や安全性向上を目指す情報共有技術や、気象状況で進路変更が必要な場合、パイロットに進路変更情報を自動的に知らせる「電子化フライトバッグアプリケーション」、客室内の温度と湿度を自動調節したり、ギャレー(厨房設備)やラバトリー(化粧室)の最適運用を目指す「コネクテッド・キャビン」、最新鋭カメラを搭載し、より多くの乗客が機外の景色を楽しめる取り組みなどを検証する。
飛行試験に使用する燃料の大部分は、二酸化炭素(CO2)の排出削減のため、持続可能な燃料を使用する。米国内のほか、シアトルから独フランクフルトまでのフライトも計画している。
エコデモンストレーター・プログラムの飛行試験は、2012年にスタート。これまでの飛行試験では、737-800、787-8、757、777F貨物機、エンブラエルのE170が試験機として使用された。2018年までに、のべ112種類の技術が実験対象になった。
ボーイングによると、航空機に現在使用されている技術は、パイロットに情報をリアルタイムで送るiPadのアプリや、777Xに搭載されるパイロットが地上での障害物を避ける際に使うカメラシステムがが、過去に実験対象になったものだという。
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