羽田空港で、管制官が航空機とやり取りする無線の一部が使えなくなる不具合が、今年5月に2件起きていたことがAviation Wireの取材でわかった。管制塔を管理する国土交通省東京航空局(TCAB)が、老朽化した管制卓を新しいものに更新する際、不要になった通信ケーブルを撤去時にショートし、管制機器が誤作動を起こした。
不具合が起きたのは、羽田のVHF帯通信施設。管制塔内の管制卓を新しいものに置き換える際、撤去作業でケーブルを切断した時にショートが発生し、音声交換機内の「管制卓接続用ユニット」と呼ばれる機器が誤作動し、一部の周波数帯が使えなくなった。
無線の一部が使えなくなったのは、5月14日午前1時24分から同2時11分と、同月21日午後10時47分から翌22日午前1時42分の合わせて2件。いずれも古い管制卓につながっていた通信ケーブルを切断する作業時に起きた。不具合発生後に、一部の周波数は使用できることを確認しており、14日は4波が使用できた。21日は全20波のうち、12波が使えなくなった。
TCABでは再発防止策として、ケーブル切断作業を今後実施する際は、機器に接続されたケーブルをすべて取り外し、誤動作が起きないことを確認後に作業を実施する。
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