パリのル・ブルジェ空港で、6月17日から23日まで開催された世界最大の航空ショー「パリ航空ショー」。偶数年にロンドン近郊で開かれるファンボロー航空ショーとともに、民間航空機の大量発注や新型機開発の発表の場に選ばれることが多い。
737 MAXの墜落が相次ぎ、品質問題が民間機と軍用機で明らかになったこともあり、エアバスとボーイングの受注は明暗が分かれた。ボーイングは、リージョナルジェット世界最大手のエンブラエルとの民間機事業の合弁会社などについて会見を予定していたが、直前にキャンセルするなど、今回のパリ航空ショーは喪に服したような状態だった。
777Xをはじめ、ボーイングは737 MAX以外にも進行中のプロジェクトをいくつも抱えている。同社が置かれた現状を、パリ航空ショーで追った。
—記事の概要—
・確定受注も大差
・エンジンがカギ握る777X
・NMA「双通路の快適性、単通路の経済性」
確定受注も大差
最初の航空機開発から50周年を向かえたお膝元のエアバスは、今回のパリ航空ショーで発注コミットメントを含む総受注が363機と、ボーイングの282機を上回った。
また、A321neoの航続距離を延長したA321LRをさらに延ばした超長距離型「A321XLR」をローンチ。航続距離は、単通路機で世界最長の4700海里(約8704キロ)で、東京を起点とした場合、シドニーやデリー、アンカレッジ(米アラスカ州)などへノンストップで飛行できる。
一方、ボーイングは墜落事故が相次いだ737 MAXの運航再開のめどが立っておらず、品質面でも改善が課題となっていることから、受注は低調だった。昨年7月に開かれたファンボロー航空ショーの総受注673機と比べ、今回の282機はこうした問題が影を落としたと言える。
282機のうち、大半を占めるのはブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)などを傘下に持つ英IAG(インターナショナル・エアラインズ・グループ)から獲得した、737 MAXを200機発注するコミットメントだ。大手の航空会社や機体メーカーがコミットメントを公表する場合、契約は大詰めを迎えており、顧客側はそのまま確定発注するケースが多い。
IAGのウィリー・ウォルシュCEO(最高経営責任者)は、737 MAXの運航再開時期について、「数カ月以内に再開することを期待している」とコメント。うがった見方をすれば、737 MAXの改修の進捗が芳しくない場合、契約内容に何らかの影響が出る可能性もあり、ボーイングは受注が確定するまで気を抜けない状況だ。
その確定受注も、エアバスが今回149機だったのに対し、ボーイングは20機にとどまった。いずれも
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