エアバスは現地時間6月17日、A321neoの航続距離をさらに延長した超長距離型「A321XLR」をローンチしたと、同日から始まったパリ航空ショーで発表した。A321neoの長距離型となるA321LRと比較し、航続距離を15%延長した。2023年の納入開始を予定する。
A321XLRはA321LR同様、2クラス180-220席、1クラスの場合最大244席設定できる。XLR(Xtra Long Range)は「超長距離」を意味し、航続距離は4700海里(約8704キロ)で、単通路機では世界最長となる。4000海里(約7408キロ)飛行できるA321LRと比較し、15%延長となる。エアバスによると、東京を起点とした場合、シドニーやデリー、アンカレッジ(米アラスカ州)などへ飛行できるという。
最大離陸重量(MTOW)を101トンに引き上げる。A321LRに設定する3個目の中央燃料タンクに加え、より多くの燃料を搭載できる後方の中央燃料タンクも追加することにより、航続距離の延長が可能となった。後方の中央燃料タンクには1万2900リットルの燃料を搭載できる。
これまで単通路機で世界最長の航続距離だったA321LRは、新型エンジンを採用したA321neoの航続距離をさらに伸ばした長距離型。MTOWを97トンに引き上げ、3個目の中央燃料タンクを追加することで4000海里に延長した。この場合の座席数は、206席を想定している。
エアバスは同型機の引き渡しを2018年11月から開始。初号機(登録記号4X-AGH)をアルキア・イスラエル・エアラインズ(AIZ/IZ)に引き渡した。日本ではピーチ・アビエーション(APJ/MM)とジェットスター・ジャパン(JJP/GK)の2社が導入を決定している。
A321LR
・TAPポルトガル航空、A321LR受領 同社向け初号機(19年4月9日)
・A321LR、納入開始 単通路機で世界最長、アルキアに初号機(18年11月14日)
・A321LR、EASAとFAAから型式証明取得 単通路機で世界最長飛ぶ(18年10月3日)
・A321LR、11時間の試験飛行 セイシェルからトゥールーズへ(18年4月12日)
・A320neoでフルフラット実現 伸びる航続距離に新需要、エアバス新内装「Airspace」(18年4月15日)
・A321LR、初の大西洋横断 パリからニューヨークへ(18年2月15日)
・エアバス、A321LR初飛行成功 年内就航目指す(18年2月1日)
・エアバス、A321neo離陸重量増加型ローンチ 大西洋路線にも(15年1月14日)
A321LRは日本でも2社導入
・ジェットスター・ジャパン、A321LR導入 中距離国際線検討(18年11月27日)
・「A321LRは国内線も」特集・ピーチ井上CEOが考える中距離LCC事業戦略(18年7月25日)
・ピーチ、A321LRを20年度導入へ 井上CEO「片道7時間程度」(18年7月17日)