シンガポール航空(SIA/SQ)系LCCのスクート(TGW/TR)は、日本支社長に比留間盛夫氏を任命し、5月9日付で着任した。比留間氏はグループのノックスクート・エアライン(NCT/XW)の日本支社長も兼任する。比留間支社長は6月17日、都内で報道向け説明会に登壇し、日本路線の現状を説明した。
—記事の概要—
・アテネが一番人気
・ノックスクート、年内に日本3路線
アテネが一番人気
シンガポールのチャンギ空港を拠点とするスクートは、日本3都市に乗り入れている。成田へは台北(桃園)経由で週12往復、バンコク(ドンムアン)経由で週7往復運航。関西へはバンコク経由で週3往復、高雄経由で週7往復のほか、直行便を週4往復運航している。このほか札幌へは台北経由で週4往復運航し、冬季には直行便を週2往復設定する。
同社の日本路線では、関空経由で運航していたシンガポール-ホノルル線のうち、関西-ホノルル線を5月7日の運航を最後に運休。シンガポール-関西線の直行便は継続する。比留間支社長は運休について「全体での需要が、目標をやや下回った」と説明した。
スクートは現在、豪州や中国、サウジアラビアなど17カ国・地域65都市に就航している。比留間支社長によると、日本からシンガポール経由での渡航は、アテネが最も多いという。
ノックスクート、年内に日本3路線
バンコクのドンムアン空港を拠点とするノックスクートは、日本2都市に乗り入れており、成田へは週7往復、関空へは週6往復運航している。
2018年8月にAviation Wireの単独インタビューに応じたノックスクートのギャン・ミン・トー副最高経営責任者(Deputy CEO)は、日本3路線目について「1年以内にどこかに就航する」と述べていた。比留間支社長によると、3路線目は年内に発表できる見込みだという。バンコクからの直行便か第三国経由かについても未定とした。
ノックスクートは現在、ボーイング777-200ER型機(2クラス415席:スクート・ビズ24席、エコノミー391席)を5機保有。このほか、737-800の導入も計画している。777の後継機材については今後選定を進めるという。
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比留間支社長は1980年、東京生まれ。貨物を取り扱うユーピーエス・ジャパンへ2005年に入社し、貨物機運航の地上係員として勤務した。2010年にはエバー航空(EVA/BR)に入社し、定期便の販売促進などの営業活動のほか、定期チャーター便や新規路線の立ち上げなどにも携わった。
2014年にはエアアジア・グループに移り、クアラルンプールからの中長距離路線を担うエアアジアX(XAX/D7)で、日本地区営業責任者を務めた。
比留間支社長の前任の坪川成樹・前日本支社長は、4月末で退職した。
スクート
・シルクエアー、スクートに路線一部移管 シンガポール航空がグループ再編(18年11月26日)
・スクート、ホノルル運休へ 19年6月、需要低迷(18年11月22日)
・スクート、A320neo初号機受領(18年10月9日)
・スクート、関西-ホノルル就航 787で週4往復(17年12月19日)
・スクート、ベルリン就航へ 18年後半、週4往復(17年12月4日)
・スクート、タイガーエアと合併 新制服導入(17年7月25日)
・スクート、LCC最長路線 アテネ17年6月就航へ(16年8月16日)
ノックスクート
・ノックスクート、関空19年2月増便 週6往復に(18年11月20日)
・「増便できないスクートを補完」ノックスクート副CEOインタビュー(18年8月22日)
・ノックスクート、成田-バンコク就航 副CEO「重要路線」(18年6月1日)
・ノックスクート、バンコク-成田チャーター便 タイの訪日客向け、12月から(17年10月17日)
・ノックスクート、成田-バンコク就航へ タイ当局のSSC解除受け(17年10月16日)
・ノックスクート、機体と制服デザイン くちばしと黄色(14年11月25日)
・ノックスクート、航空事業認可証取得 タイ国土交通省から(14年11月4日)
・ノックスクート、ブランドロゴ制定(14年9月12日)
・ノックスクート、GDS「インフィニ」導入(14年9月10日)
・タイLCCのノックスクート、日本代理店にエアシステム(14年9月3日)
【お知らせ】
最終段落、坪川前支社長について当初動向を明記しておりましたが、スクート側の要望により当該部分を削除しました。(19年6月17日 17:40 JST)