国土交通省航空局(JCAB)は6月14日、パイロットに対する乗務前のアルコール検査でアルコール値が国の基準を大きく超えるなど、飲酒問題が発覚したエアアジア・ジャパン(WAJ/DJ)とバニラエア(VNL/JW)、エアージャパン(AJX/NQ)の3社に対し、業務改善勧告や乗務停止などの処分を行った。
エアアジア・ジャパンでは、3月6日の中部(セントレア)発台北(桃園)行きDJ803便に乗務した副操縦士が、酒気帯び状態で乗務していた。JCABは副操縦士に対し、乗務停止60日間の処分を下した。会社に対しては業務改善勧告と安全統括管理者への警告を行い、7月5日までに再発防止策を報告させる。
ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のバニラエアでは、4月8日に羽田発着で実施した試験飛行のJW9051便で、機長と副操縦士が社内規定で定められた乗務前のアルコール検査を忘れて乗務していた。JCABは機長を文書警告、副操縦士を文書注意とした。会社に対しては厳重注意し、7月5日までに再発防止策を報告させる。
同じくANAHD傘下のエアージャパンでは、3月15日の国際線に乗務予定だった副操縦士(当時)から乗務前にアルコール反応が検出され、羽田発香港行きNH821便のパイロットを交代させ、出発が定刻より9分遅れた。JCABは副操縦士に対し、乗務停止90日間の処分を下した。会社に対しては、4月9日付で業務改善勧告を行っている。
3社の今回対象となる飲酒問題
・バニラエアのパイロット、試験飛行時にアルコール検査失念(19年4月17日)
・ANAとエアージャパンに業務改善勧告 国交省、パイロット飲酒問題で(19年4月10日)
・ANA系エアージャパン、副操縦士からアルコール検出で9分遅延 厳重注意後に再発(19年3月15日)
・国交省、エアージャパンなど5社厳重注意 パイロットのアルコール問題(19年3月11日)
・エアアジア・ジャパン、副操縦士が酒気帯び疑い 検知器、反応示さず(19年3月7日)
航空従事者の飲酒基準
・体内アルコール濃度基準、CA・整備士らにも拡大 国交省とりまとめ(19年4月9日)