6月1日午後2時ごろ、全日本空輸(ANA/NH)のサンノゼ発成田行きNH171便(ボーイング787-8型機、登録記号JA828A)が三陸沖を飛行中、2系統ある空調・与圧システムに不具合が発生し、同時に停止するトラブルがあった。乗客と乗員にけがはなかった。国土交通省航空局(JCAB)は4日午後11時55分、航空事故につながりかねない「重大インシデント」に認定した。
ANAによると、NH171便は乗客151人(幼児1人含む)と乗員12人(パイロット3人、客室乗務員9人)を乗せ、サンノゼを現地時間5月31日午後0時15分に定刻通り出発。三陸沖を成田空港に向けて高度約4万3000フィート(約1万3100メートル)で飛行中、空調・与圧システムの不具合を示すメッセージがコックピット内に表示されたため、管制官に降下の優先権を要請し、高度を1万フィートまで下げた。
数分後には、残り1系統のシステムにも不具合が発生。2系統とも停止した状態になったが、高度1万フィートまで降下後は客室内の気圧が安定したため、降下の優先権は解除し、成田には通常着陸して午後3時3分(定刻より12分早着)に到着した。ANAによると、客室で酸素マスクは出なかったという。
ANAでは原因を調べており、今後は国の運輸安全委員会(JTSB)が調査にあたる。空調・与圧システムの不具合が2系統同時に起きた事例は、ANAでは2016年5月27日に、羽田発高知行きNH561便(737-800、JA85AN)で発生している。
関連リンク
全日本空輸
・ANA、737で気圧低下 乗客の鼓膜破れる(16年6月1日)