関西3空港を運営する関西エアポート(KAP)の山谷佳之社長は6月4日、計画の公表が遅れている関空の第1ターミナル改修について、2025年開催の大阪万博までには工事を終える方針を示した。
第1ターミナルは、1994年9月4日の開港以来使用している。開港20周年の2014年には、高級ブランド店がオープンし、ターミナル両端にあった外貨両替所を中央に移すなど、商業施設を一部リニューアルした。
現在の計画はこれを上回る規模で、開港以来の大改修となる見込み。2016年4月1日の民営化後、2017年10月24日に、山谷社長が改修計画の大枠を2018年3月までにまとめる方針を示したが、同年6月7日の決算発表時には先送りされた。
山谷社長は、「ラフは早い時点でできているが、私たちだけではなく、航空会社やCIQ(税関・入管・検疫)との調整が必要。時間がたつごとに(年間訪日客数)4000万人、6000万人と真剣度が増しており、いいものをやりましょう、となってきた。かなり真剣に調整を進めており、もうまもなくだ」と説明した。
改修計画の検討作業は、2018年9月4日に台風21号の被害を受けてからは、今年3月まで中断したという。
4日に発表した2019年3月期連結決算は、売上高が前期(18年3月期)比7%増の2204億円、EBITDA(利払前税引前償却前営業利益)が6%増の971億円、営業利益が8%増の573億円、経常利益が10%増の461億円、純利益が5%増の296億円と、台風の影響はあったものの、旺盛な訪日需要を追い風に、3年連続で増収増益だった(関連記事。
台風被害による減収と損失は現時点で81億円。今後復旧工事が進むと、最終的には165億円規模になる見通し。また、今年3月には利益保険など62億円の保険金がKAPに支払われた。
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