日本航空(JAL/JL、9201)の赤坂祐二社長は現地時間6月2日、2020年までに共同事業(JV)の開始を目指すマレーシア航空(MAS/MH)に対し、経営再建や安全面のノウハウも共有していく考えを示した。将来の可能性として、マレーシア以遠路線の提携も検討していくという。
マレーシア航空は2014年3月にクアラルンプール発北京行きMH370便が消息を絶ち、同年7月にはアムステルダム発クアラルンプール行きMH17便が撃墜され、経営が悪化。再建を進める中で、同じ航空連合ワンワールドに加盟するJALとのJV開始を目指している。
ソウルでAviation Wireと海外メディア3社の取材に応じた赤坂社長は、「アジアの航空会社とのJVは初めて。再建計画を聞く限り、十分成長していく余地があると考えている。われわれが太平洋路線を持っていることが魅力的に映ったのではないか」と語った。
「JVだけではなく、幅広い分野で提携できるのではと話している。例えば安全の分野だ。大きな事故があってその影響が残っており、そこからどう回復するか。経営についても、われわれがどうやって再建したかに関心を持っており、マレーシア航空が置かれた状況は、われわれの経験を生かせるのではないか。似たもの同士だ」と、運航スケジュールや運賃で連携する以外にも、再建に協力できる分野を模索する。
一方で、出資の可能性については「これから協議しようと話をしているところ。投資をしなくても、いろいろな形で協力できるのではないか」と述べた。
JVについては、「最初は日本とマレーシア間になるが、日本以遠の太平洋路線やマレーシア以遠の路線にも拡大できれば」と期待を寄せた。
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