エアバスは、デルタ航空(DAL/DL)向け初号機となるA330-900型機(A330neo、登録記号N401DZ)を仏トゥールーズで引き渡した。7月から運航を開始する。
デルタはA330-900を35機発注済み。4クラス281席を設定し、ビジネスクラス「デルタ・ワン スイート」は29席、プレミアムエコノミー「デルタ・プレミアムセレクト」は28席、足もとが広いエコノミークラス「デルタ・コンフォートプラス」は56席、エコノミークラス「メインキャビン」が168席となる。
運航開始は7月で、シアトルを拠点とし、上海とソウル(仁川)、成田の3路線に順次投入する。上海線には7月1日から、ソウル線には8月1日から、成田線には8月31日から、それぞれ導入を予定。2020年夏ダイヤで予定している羽田空港の増便枠で申請し、米国運輸省(DOT)が暫定的に割り当てたシアトル-羽田線も、A330-900での運航を計画する。
A330-900はA330の改良型「A330neo」の1機種で、A330-300の後継機。A350 XWBの主翼技術を取り入れ、ロールス・ロイス社製新型エンジンのトレント7000と空力特性の改善で、1座席あたりの燃費を改善する。
主翼は従来の60.3メートルから64メートルに大型化。翼端に装備して燃費を改善する「シャークレット」は、A350の技術を取り入れた。客室はA350のものをベースとし、大型化した手荷物収納棚やLED照明などを採用した新内装「エアスペース」を取り入れる。
エアバスは2018年11月から、A330-900の引き渡しを開始。初号機(CS-TUB)は、ローンチオペレーターのTAPポルトガル航空(TAP/TP)が受領した。4月末現在8機引き渡し済みで、TAPが6機、エア・セネガル(SZN/HC)とモーリシャス航空(MAU/MK)が1機ずつ導入している。5月に入り、アズール・ブラジル航空(AZU/AD)もリース導入。米大陸の航空会社では初めてA330neoを受領した。
デルタ航空のA330-900
・デルタ航空のA330neo、成田-シアトル8月就航(19年3月1日)
・デルタ航空のA330neo、塗装完了(19年1月23日)
・デルタ航空、A330-900を10機追加発注(18年11月19日)
・デルタ航空、A350とA330neoを25機ずつ発注 747など後継(14年11月21日)
A330-900
・アズール・ブラジル航空、米大陸初のA330neo(19年5月15日)
・ライオンエアのA330neo、ロールアウト(19年5月7日)
・モーリシャス航空、南半球初のA330neo(19年4月26日)
・エアアジア初のA330neoロールアウト タイ・エアアジアXが6月運航開始(19年4月19日)
・エア・セネガル、A330neo初号機受領 アフリカ初導入(19年3月11日)
・エアバス、A330neo納入開始 初号機、TAPポルトガル航空に(18年11月27日)
・A330neo、EASAから型式証明 FAAも近日(18年9月27日)
・型式証明取得目前のA330neo 写真特集・ファンボロー航空ショー2018(2)(18年9月1日)
羽田発着枠、20年夏に拡大
・羽田米国枠、デルタ航空が最多 米運輸省、12枠暫定割り当て 20年夏(19年5月17日)
・成田空港、羽田増枠「影響避けられない」 米申請14路線が重複(19年2月28日)
・羽田発着枠、米航空4社が申請 20年夏から(19年2月22日)