産業廃棄物のリサイクルを手掛けるエコネコル(静岡・富士宮市)は、退役した先代の政府専用機「B-747-400」を2機(機体番号20-1101、20-1102)落札し、5月15日に航空自衛隊と売買契約を締結した。落札額は非公表。今回の落札により、同社では機体のリサイクル事業への進出を図る。
2機の落札により、エコネコルは機体解体とリサイクルの技術やノウハウ、市場の研究を開始する。取引先の選定後、取引先の意向により、機体として再利用するかリサイクルするかを決定する。
近年、機体の再利用やリサイクルが注目を集めている。ボーイングとエアバスは、再利用とリサイクルを進める組織団体を設立し、研究を進めている。エコネコルは新規事業の開拓により、ボーイングが2006年に設立したリサイクル組織団体AFRA(Aircraft Fleet Recycling Association)への加入手続きを進める。
1993年に初の任務運航に就いたB-747は、ボーイング747-400型機を改修した機体で、千歳基地の特別航空輸送隊が運用。3月24日には777-300ERを改修した後継の「B-777」(80-1111、80-1112)への機種交代式典が開かれ、同月31日に退役した。
B-747は機種交代式典が開かれた3月24日時点で100カ国を訪問し、269カ所に寄港。任務運航は349回にのぼる。地球を365周分にあたる約1460万キロを飛んだ。機内に設けられた貴賓室は取り外し、一つは静岡県浜松市にある空自の広報施設「エアーパーク」に展示し、もう一つも無償貸出を条件に貸出先の選定を進めている。
エコネコルは1950年3月に創業。産業廃棄物のリサイクルのほか、プラント解体や自治体の粗大ごみ処理、リサイクル資源の輸出などを手掛けている。
B-747
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