エアライン, 企業, 空港 — 2019年5月16日 15:50 JST

ANA、成田で自動追従車いす 国際線乗継ぎで実証実験

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 全日本空輸(ANA/NH)とパナソニック(6752)は5月16日、成田空港で自動追従型の電動車いす(パーソナルモビリティ)の実証実験を開始した。高齢者など車いすを必要とする利用客の、国際線から国際線への乗り継ぎをサポートする。安全性や操作性などを検証し、今後の正式導入に向けた検討を進める。

パナソニックとWHILLが共同開発した電動車いすで実証実験するANAの地上係員ら=19年5月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
時速4キロで追従
車いす1便あたり30人

時速4キロで追従

 使用するのはパナソニックとWHILL(横浜市)が共同開発した電動車いすで、先頭の1台を係員が有線リモコンで操作し、ほかの車いすが自動追従する。時速4キロで走行し、前を走る車いす後部の追従用反射板を、後ろの車いす前部に備えたセンサーで読み取って追従する。最大10台まで追従し、1回の充電で10キロ程度走行できる。

 重さは75キロで、最大100キロまで搭載可能。後部には荷物を置けるスペースも設ける。シートの左には操作用のタブレットを設置し、走行中に停止させたい場合などにタップすると、係員に通知される仕組み。車列に人が横切った場合など、衝突の恐れがあると判断した場合、自動停止する機能も備える。

ANAが実証実験で使用するパナソニックとWHILLが共同開発した自動追従型の電動車いす=19年5月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ANAが実証実験で使用するパナソニックとWHILLが共同開発した自動追従型の電動車いす=19年5月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

パナソニックとWHILLが共同開発した電動車いすに備える操作用のタブレット=19年5月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

パナソニックとWHILLが共同開発した電動車いすに備える反射板とセンサー=19年5月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

車いす1便あたり30人

 今回の実証実験では、3台の車いすで検証を進める。ANAが利用する、成田空港第1ターミナル3階に到着した乗り継ぎ客は、電動車いすに乗り4階の乗り継ぎ検査場に移動する。検査を受けた乗り継ぎ客は3階の出発階に戻り、出発便に搭乗する。先頭の1台をANAの地上係員が有線リモコンで操作し、ほかの2台が追従する。

 高齢者をはじめとした、乗り継ぎ時の移動に不安を抱えている旅客の利用を想定する。

 ANAは、アジア各国と北米間での乗り継ぎを考慮したスケジュールを設定している。乗り継ぎ時に車いす利用を求める旅客も多く、1便あたり30人程度、1日約350人が車いすを利用。中でもベトナムやフィリピン、インドからの乗り継ぎが多いという。

 現在は手押しの車いすを用意。1台につき1人の地上係員が付き添い、乗り継ぎをサポートしている。手押しの車いすには荷台が付いておらず、旅客は荷物を膝の上に載せるなどして移動している。

パナソニックとWHILLが共同開発した電動車いすで実証実験するANAの地上係員ら=19年5月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

車列に人が横切った場合に自動停止する機能を備えるパナソニックとWHILLが共同開発した自動追従型の電動車いす=19年5月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

関連リンク
全日本空輸
パナソニック
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