ボーイングは現地時間5月5日、墜落事故が相次いだ737 MAXについて、翼と対向する空気の流れの角度「迎角(むかえかく、AOA)」を検出するセンサーに異常が生じた際、コックピットのディスプレーに警告を表示するソフトウェアに不具合があることを、同社の技術者が2017年に確認していたことを明らかにした。
ボーイングによると、迎角を検出する「AOAセンサー(Angle of Attack sensor)」が失速防止システム「MCAS」に誤った情報を入力した場合、迎角の不一致をパイロットに伝える警告「AOAディスアグリー(迎角不一致)」がコックピットのディスプレーに表示されるオプションを用意していたが、警告表示に必要な条件を正しく満たしていなかったという。
737 MAXは、2016年1月29日に初飛行し、2017年5月から引き渡しが始まった。警告表示の不具合は、納入開始の数カ月後にボーイングの技術者により指摘されていた。
ボーイングはシステムを見直したが、同社の経営陣にこの問題が知らされたのは、2018年10月29日にインドネシアのライオン・エア(LNI/JT)のJT610便(737 MAX 8、登録記号PK-LQP)が墜落後だったと説明。迎角不一致の警告は補足情報を提供するオプション装備で、安全機能としては見なされていないと、4月29日の声明に続き改めて言及した。
ボーイングはAOAセンサーやMCASが事故原因とみられることから、迎角不一致の警告を標準装備に改めた。また、迎角を示す「AOAインジケーター」を、これまで通りオプションで提供している。
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