日本航空(JAL/JL、9201)はこどもの日の5月5日、羽田空港で「こどもの日イベント」を開いた。羽田を午前10時50分に出発する那覇行きJL909便(ボーイング767-300型機、登録記号JA8980)の搭乗口に端午の節句にちなんだ装飾を施し、機内では客室乗務員が柏餅を配った。
JALでは2009年から、客室乗務員を含む全運航業務を男性が担当する「こいのぼりフライト」を5月5日に、パイロットを含む全運航業務を女性が担当する「ひなまつりフライト」を3月3日に実施。ともに昨年で10回の区切りを迎えた。
しかし、男性のみや女性のみで行うフライトに対し、性別の多様性などの観点で社外から疑問視する声が寄せられたことから、今年は搭乗口でのイベントにとどめた。JALによると、社内にも同様の意見が一部あったことから、「男性のみ」や「女性のみ」といった性別で区切る形のイベントを、今後は実施しないという。
JALは3月3日もひなまつりフライトは実施しておらず、乗客からは「職場の性別の平等とは別問題ではないか」と、残念がる声が聞かれた。
JL909便が出発する羽田空港の9番搭乗口には、鎧兜(よろいかぶと)やこいのぼりなど、端午の節句にちなんだ装飾を施した。5月5日のこどもの日は、男の子の成長を祝う意味合いが強いことから、イベントでは男性社員を集めた。
搭乗口では男性の地上係員が中心となり、乗客を案内。JL909便には男性の客室乗務員が2人乗務した。
JALの客室乗務員約6000人のうち、男性は約100人で大半が国際線に乗務する外国人。国内線に乗務する男性の客室乗務員は10人程度と少ないことから、2人の男性が同じフライトに当たることは、普段はまずないという。
那覇行きJL909便の搭乗口では、JALの地上係員らがメッセージカードや手作りのしおり、あめが入った小袋を乗客にプレゼント。子供には紙飛行機も手渡された。同便はこいのぼりや横断幕を手にしたJALの地上係員らに見送られ、乗客163人(幼児11人含む)を乗せ、午前10時53分に羽田を出発した。
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