日本航空(JAL/JL、9201)グループで空港のグランドハンドリング(地上支援)業務を担うJALグランドサービス(JGS、大田区)は4月8日、航空機の牽引(けんいん)訓練にVR(仮想現実)技術を用いた訓練用シミュレーターを導入した。日本では初導入で、持ち運びできることから地方空港の訓練などにも活用する。
グラハン業務は航空機の牽引のほか、手荷物や貨物搭降載作業などを指す。このうち航空機の牽引訓練は、実際の機体などを使うため時間や場所などの制約があり、長期間の訓練が必要になる。一方、航空需要が旺盛なことから、航空機を牽引する仕事量は増加傾向にあり、牽引技術を持つ人材の育成が課題になっている。
JGSは、VRやAR(拡張現実)などの技術を有するコミュニケーション・プランニング(港区)と牽引訓練用のVRシミュレーターを共同開発。時間や場所を選ばずに訓練できるようにした。
持ち運びが可能で、地方空港などでも訓練できる点が特徴の一つで、通常の訓練では再現が困難な雨や雪などの気象条件も設定できる。また、教官の指導を受けながら訓練を繰り返し行える。
VR技術により、360度全方位の視野を再現できることから、平面モニターでは困難な振り向いたり、のぞき込むといった、航空機の牽引時に必要な安全確認の動作にも対応した。
今後は新たな訓練プログラムの開発や、イレギュラーに備えた緊急時の操作訓練などの開発も検討していく。
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