エアライン, 機体 — 2019年4月6日 12:48 JST

ジェイエア、Eシリーズ導入10周年 CA訓練は実機、“社内レジェンド”ら振り返る

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 日本航空(JAL/JL、9201)グループで地方路線を担うジェイエア(JAR/XM)は4月6日、エンブラエルEシリーズのうち、170(E170)型機の導入10周年を記念したイベントを、伊丹空港で開催した。初号機(E170、登録記号JA211J)で運航した山形行きJL2233便の乗客を対象に、10周年記念グッズを配布。導入当時を知る社内の“レジェンド”らが10年前を振り返った。

ジェイエアのE170導入10周年記念便伊丹発山形行きJL2233便を見送るイベント参加者ら=19年4月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
フェリー機長「どんな飛行機だろうと不安あった」
CA訓練は実機で
Eシリーズ32機で完納

フェリー機長「どんな飛行機だろうと不安あった」

 ジェイエアは2008年10月31日に、同社向け初号機となるE170を受領した。当時日本初導入となった機体で、受領時にブラジルから日本へのフェリーフライト(回航)を、ジェイエアの林譲治機長と小西竜大機長が担当。6日のイベントには両機長も参加した。

ジェイエアのE170導入10周年記念セレモニーに参加した(左から)牛澤さん、辻さん、山田さん、エンブラエルのマキヤマ氏、林機長、小西機長、整備士の遠藤孝行さん=19年4月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 林機長は「導入から1年半近くかけてマニュアルを整備し、パイロットの訓練を重ねた」と当時を振り返った。ブラジル製の機体導入が日本初となったことから「『どんな飛行機だろう』と不安があった」とした林機長は、「実際はいい飛行機。大きな故障もなく飛んでくれている」と語った。

 エンブラエルが集計したデータによると、ジェイエアの2018年暦年の定時運航就航率は99.84%で世界トップだったという。エンブラエルのカスタマーアカウントマネージャー、ペドロ・シンゴ・マキヤマ氏は、「両社は地球の反対側にあるが、距離はまったく問題ない。ジェイエアはトップクラスだ」と称え、両社の関係強化を継続する姿勢を見せた。

M型の操縦桿を備えるジェイエアのE190コックピット=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 小西機長は、Eシリーズに搭載するM型の操縦桿が気に入っているという。当初は難しいと思ったものの、操縦しやすく「グリップを握ると安心する」と語った。

 記念便となったJL2233便はの乗客には、歴代の制服を着用した客室乗務員らがトートバッグとパスポートケースを配付した。搭乗橋(PBB)には導入の歴史を振り返る写真を飾り、乗客44人(うち幼児0人)を出迎えた。同便は定刻より1分早い午前7時59分に伊丹を出発し、山形には定刻より6分早い午前9時9分に到着した。

CA訓練は実機で

 イベントには、歴代制服を着用した客室乗務員も参加。山田綾乃さんは初代、辻奈々さんは2代目、牛澤菜穂子さんは3代目の制服をそれぞれ着用した。

 導入から間もないころ、E170の客室乗務員訓練にはモックアップを使用せず、実機で訓練していた。就航と同時となる2009年2月に入社した山田さんは、「実機が夜に戻るのを待って訓練していた」と当時を振り返った。また、翌朝からも定期便に投入するため、機内を綺麗に保つのが大変だったという。

 2010年7月に入社した辻さんは、E170よりも機体が大きいE190の14号機(JA254J)を2018年7月に受領したとき、ブラジルのサンジョゼ・ドス・カンポスにあるエンブラエル本社に行った。14号機がジェイエアのEシリーズとして完納となることから訪問したという。辻さんは「客室乗務員としては唯一、本社を訪れた。大好き」と話し、“Eジェット愛”をあらわにした。

 ジェイエアは現在、エンブラエル機のみを保有し、三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「MRJ」も発注済み。2021年から32機導入する計画で、将来的には、エンブラエル機からMRJへの置き換えを予定している。

 エンブラエルはEジェットの後継機として「E2」シリーズをラインナップに加え、売り込み強化を図っている。マキヤマ氏は「E2乗りたいでしょ?」と客室乗務員らに問うと、一同は笑いながら頷(うなず)いた

Eシリーズ32機で完納

記念便に投入したジェイエアのE170初号機=19年4月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 ジェイエアのE170初号機は、2008年11月1日にブラジルのサンジョゼ・ドス・カンポスを出発。7カ所を経由し、5日後の11月5日に那覇に到着した。那覇ではグループの日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)が就航前の改修を施し、同月12日に、当時拠点としていた県営名古屋空港(小牧)に到着した。

 その後、2号機(E170、JA212J)を受領後の2009年2月1日から運航を開始。初便となったのは、小牧を定刻午前7時10分に出発したJL4391便松山行きで、2号機を投入した。初号機も同日に運航を開始し、小牧を定刻午前8時に出発した福岡行きJL4401便が初便となった。

 ジェイエアが現在保有するエンブラエル機は2種類で、E170(1クラス76席)を18機、機外が大きいE190(2クラス95席:クラスJ15席、普通席80席)を14機導入している。E170の18号機(JA228J)は2018年4月26日に、E190の14号機は同年7月24日に受領し、Eシリーズ2機種を完納。計32機体制を構築している。

 現在は伊丹を拠点とし、28都市に40路線、1日に232便(116往復)を運航している。

E170導入10周年記念グッズを手にするジェイエアの(左から)牛澤さん、山田さん、辻さん=19年4月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ジェイエアのE170導入10周年記念セレモニーで記念撮影する利用客=19年4月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ジェイエアのE170導入10周年記念セレモニーで記念品を受け取る搭乗客=19年4月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

搭乗橋の内側に飾り付けられたジェイエアのE170導入の歴史を振り返る写真=19年4月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

搭乗橋の内側に飾り付けられたジェイエアのE170導入の歴史を振り返る写真=19年4月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

搭乗橋の内側に飾り付けられたジェイエアのE170導入の歴史を振り返る写真=19年4月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

出発準備が整うジェイエアのE170導入10周年記念便となった伊丹発山形行きJL2233便=19年4月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

伊丹を離陸したジェイエアのE170導入10周年記念便となった山形行きJL2233便=19年4月6日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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