日本航空(JAL/JL、9201)は4月4日、東京-広州線就航20周年記念式典を羽田空港で開いた。広州行きJL87便の乗客には、搭乗記念証やボールペンなどの記念品が手渡された。
広東省の省都である広州は、北京や上海と並ぶ中国第3の都市。東京-広州線は、1999年4月5日に当時の日本エアシステム(JAS、現JAL)が、成田-広州線として週2往復で開設した。JASグループのハーレクインエアのダグラスDC-10-30型機と乗員をウェットリースして運航していた。その後、JAL/JAS統合の一環で、2003年1月10日からはJASの成田-広州線でJALがコードシェアを開始した。
2015年10月25日からは、羽田発着に変更。同年5月に日本と中国の航空当局間で、羽田空港の昼間時間帯乗り入れに合意し、北京と上海に加えて、広州へ乗り入れられるようになったことによるもの。羽田-広州線は当初ボーイング767-300ER型機(2クラス227席:ビジネス30席、エコノミー197席)を使用していたが、767-300ERの新仕様機「スカイスイート767」(2クラス199席:ビジネス24席、エコノミー175席)を経て、2017年3月27日からは787-8を投入し、週7往復(1日1往復)運航している。
現在投入している787-8の座席数は、2クラス206席(ビジネス30席、エコノミー176席)。就航20周年式典は、5日が清明節にあたることから4日に実施し、この日の羽田発広州行きJL87便(787-8、登録記号JA829J)は、乗客136人を乗せ定刻より2分早い午前8時48分に出発した。
広州近隣の深セン市や香港、マカオを含め、中国政府は「広東・香港・マカオグレートベイエリア」の建設を推進している。JALの植木義晴会長は、「広州は中国で一番活気がある街。昨年20年ぶりに行って、変わりようにびっくりした。超高層ビルが建ち並び、中国の力を見せつけるような街に発展してエネルギーを感じる。『食は広州にあり』と言うように、広東料理発祥の地で、ツバメの巣のスープやフカヒレ、酢豚、私の大好きな飲茶も含まれてる。広州でおいしい広東料理を召し上がって欲しい」と語った。
また、パイロット出身の植木会長はかつて操縦していたDC-10について、「20年間飛ばしたが暴れん坊のところがあり、操縦はなかなか難しいが、パイロットの腕の見せ所といった飛行機だった」と振り返った。
中国路線の現状については、「2018年度は前年よりかなり伸びて好調だった。ロードファクター(座席利用率)が2年くらい前は低かったが、今は80%台半ばで一番高い地域になっていきた」(植木会長)と述べ、今後の成長に期待を寄せた。
関連リンク
日本航空
・JAL、羽田-広州に787就航 767から機材変更(17年3月27日)
・JALとANA、羽田ー広州開設 中国線拡大、北京・上海は増便(15年10月25日)