三菱地所(8802)などが出資する下地島エアポートマネジメント(宮古島市、SAMCO)は3月30日、沖縄県の下地島空港に旅客ターミナル「みやこ下地島空港ターミナル」をオープンした。開業と同時に、ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)が約24年ぶりとなる定期便として成田線を就航させる。
*ジェットスター・ジャパン初便の記事はこちら。
—記事の概要—
・定期便24年ぶり
・リゾート感演出
・20年度に30万人目標
定期便24年ぶり
下地島空港は1979年7月5日に開港。地方管理空港で、滑走路は3000メートル×60メートル(RWY17/35)が1本、スポット(駐機場)は大型機用が5つ、中型機用が1つ。島全体が空港用地となっており、国内唯一の民間ジェット機の訓練空港として利用されてきたが、日本航空(JAL/JL、9201)が2011年度まで、ANAが2013年度までで撤退している。2017年には、バニラエア(VNL/JW)が訓練を実施した。
定期便は、1994年7月22日に日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)が那覇-下地島線を運休して以来乗り入れておらず、30日に就航するジェットスター・ジャパンの成田-下地島線が約24年ぶりとなり、7月3日からは関西線も就航する。
7月19日からは、LCCの香港エクスプレス航空(HKE/UO)が香港から週3往復で乗り入れを計画している。
リゾート感演出
ターミナルの敷地面積は3万1580平方メートルで、延床面積は1万2027平方メートル。旅客エリアは地上1階の平屋建て。ターミナルは“空港からリゾートはじまる”をコンセプトとし、建物は窓を大きく開けて風の通り道を作ることで、リゾート感を演出する。屋根には木材を使用し、コンクリート製のものよりも断熱性を高めた。
12カ所あるチェックインカウンターは各社共通で、航空会社を固定せず使用時のみ割り当てる。また共通のチェックイン端末を備えることで、新たな航空会社の乗り入れにも対応する。このほか、自動チェックイン機を5台設置する。
保安検査場は国内線と国際線共通で、どちらも同じ保安検査を受ける。保安検査レーンは2レーンで、将来的には4レーンまで増加できるようにする。国際線はボディスキャナーを別途通過し、出発エリアへ進む。
飲食店は一般エリアに1カ所、国内・国際共通の制限エリアに2カ所。いずれも地元の食材を使用し、サンドイッチなどを提供する。物販店は一般エリアに1カ所、制限エリアに2カ所設ける。制限エリアのうち1店舗は免税店で、国際線出発エリアで営業する。国際線利用の場合、飲食や免税品以外の物販購入は共通エリアで済ませる必要がある。
飲食エリアからは中庭にアクセスできる。中庭は駐機場に面しており、一部をガラス張りとすることで、写真撮影もできるようにする。
20年度に30万人目標
空港を運営するSAMCOの伴野賢太郎社長は、「レンタカーに送迎バスを利用せず、直接乗れるようにした。路線バスも2路線走り、ホテルからの送迎バスも利用できる」と、空港と宮古島内を結ぶ二次交通についても、利用しやすさを考えたという。
今後の見通しについて、伴野社長は、「国内線は首都圏や関西、九州、那覇を結ぶ路線を充実させたい。国際線は台湾や香港、上海路線の営業を進めており、2020年度には30万人を実現したい」と意気込みを語った。
宮古島にある宮古空港とは、「スクラムを組む。生活の足は宮古で、下地島は観光にシフトしている」と、住み分けを図る考えを示した。
関連リンク
みやこ下地島空港ターミナル
香港エクスプレス航空
ジェットスター・ジャパン
ジェットスター・ジャパンが初便
・ジェットスター・ジャパン、成田-下地島就航 24年ぶり定期便(19年3月30日)
内覧会と就航式典
・下地島空港ターミナル、竣工式典 三菱地所・吉田社長「国内外から誘客確信」(19年3月16日)
・下地島空港ターミナル、30日開業 “風通し”でリゾート演出(19年3月15日)
就航路線
・ジェットスター・ジャパン、関空-下地島7月就航へ 片岡社長「訪日客も送客したい」(19年3月12日)
・下地島空港、香港エクスプレスが7月就航 初の国際線(19年2月21日)
・ジェットスター、下地島へ3月30日就航 ターミナル開業と同時、24年ぶり定期便(18年11月15日)
下地島空港
・下地島空港、開港前に見学会 ツアー限定、3月25日に(19年2月18日)
・下地島空港、ターミナルが19年3月開業 ジェットスターが定期便(18年10月16日)
・三菱地所、下地島空港の旅客ターミナル着工 19年開業、LCCやビジネスジェット誘致へ(17年10月12日)
・三菱地所、下地島空港に旅客ターミナル 18年5月開業、LCCやプライベート機誘致(15年12月28日)
・バニラエア、下地島でパイロット訓練開始(17年10月14日)