墜落が相次いだボーイング737 MAXについて、米国のサウスウエスト航空(SWA/WN)でも類似のシステムトラブルが8件起きていたことが、関係者への取材でわかった。いずれもパイロットが手動操縦に切り替えて問題を回避し、事故には至らなかった。
737 MAXは、2016年1月29日に初飛行。初の墜落事故となった2018年10月29日のライオン・エア(LNI/JT)のJT610便(737 MAX 8、登録記号PK-LQP)事故と、今月10日に起きたエチオピア航空(ETH/ET)のET302便(737 MAX 8、ET-AVJ)事故は、フライトレコーダー(DFDR)を解析する中で事故原因の類似性が指摘されている。
墜落原因のひとつとして、ボーイングが737 MAXで新たに採用した失速を防止する「MCAS(操縦特性向上システム)」のソフトウェアに問題があったとみられ、ボーイングはソフトウェアの修正版を近く配布する見通し。
関係者によると、サウスウエスト航空の737 MAX 8でも、MCASが原因とみられる不具合が8件発生。8件とも、パイロットがオートパイロット(自動操縦)を解除し、手動操縦で不具合を回避したという。一方、ライオン・エアとエチオピア航空で起きた2件の墜落事故については調査中で、最終的な報告書が公表されるまでには事故発生から1年程度かかるとみられる。
ボーイングによると、サウスウエスト航空は2月末時点で737 MAXを280機発注しており、31機が引き渡されている。サウスウエスト航空の社内では、MCASの不具合は運航時の注意事項として回避策が共有されているという。
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