エアライン, 空港 — 2019年3月25日 18:45 JST

JAL、伊丹空港の新ラウンジ公開　席数1.5倍、ダイヤは青汁復活

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　日本航空（JAL/JL、9201）は3月25日、伊丹空港の新ラウンジを報道関係者に公開した。2007年以来12年ぶりのリニューアルで、28日にオープンする。利用者が多いことから、席数を従来の約1.5倍に拡大する。

伊丹空港にリニューアルオープンするダイヤモンド・プレミアラウンジを紹介するJALのスタッフ＝19年3月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
・両ラウンジの席数同じに
・天井高の違い活用
・DPラウンジは青汁復活
・専用保安検査場も

両ラウンジの席数同じに

　リニューアルするのは、マイレージサービス「JALマイレージバンク（JMB）」の会員向け「サクララウンジ」と上級会員向け「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」（DPラウンジ）。DPラウンジは、JMB最上位であるダイヤモンド会員と、上位会員制度「JALグローバルクラブ（JGC）」のプレミア会員、ファーストクラスに当日搭乗する乗客が利用できる。

伊丹空港にリニューアルオープンするJALのダイヤモンド・プレミアラウンジ＝19年3月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　両ラウンジはターミナル3階にオープンし、JALグループの旅客機が一望できる開放的なラウンジになる。デザインコンセプトは「日本のたたずまい」。2016年6月にDPラウンジを新設し、サクララウンジのリニューアル第1号となった新千歳空港から導入しているもので、日本の素材美を活かしながら現代的にアレンジした空間を用意する。

　座席数は各約160席ずつの計320席程度。路線統括本部の佐藤靖之商品・サービス企画本部長は、「伊丹は上級会員の利用が多いので、両ラウンジの席数を同数にした。DPラウンジは同じ席数でも、ゆとりをもたせている」と説明した。両ラウンジは隣り合っており、DPラウンジの一部区画は、一時的にサクララウンジの増席用として使える構造にした。

　レイアウトは、出張や旅行など、さまざまな利用形態を想定したものにし、カウンター席や個室感のある「神輿（みこし）席」などを用意した。各席には電源コンセントを設け、スマートフォンなどの充電用USB端子も併設している。また、関西の工芸品などを並べた。

天井高の違い活用

　ラウンジのデザインは、JALの羽田国際線ラウンジなどを手掛けた乃村工藝社（9716）のA.N.D.（AOYAMA NOMURA DESIGN）クリエイティブディレクター小坂竜氏が監修し、同社で空間デザインを手掛けるデザイナーの竹内宏法氏が担当した。

伊丹空港にリニューアルオープンするJALのサクララウンジ＝19年3月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　2つあるラウンジのうち、DPラウンジはターミナルの増床エリアを主に使用し、サクララウンジは従来の建物を使用する。このため、開業から約50年がたつ既存エリアを使うサクララウンジの天井は低く、DPラウンジは30センチから50センチほど高い天井になる。

　竹内氏によると、サクララウンジの天井は梁（はり）の表面などに木材を多用することで、日本家屋をイメージした落ち着きのあるものにしたという。一方、天井の高いDPラウンジは金属のつり棒による装飾を施し、開放感のある空間に仕上げた。

DPラウンジは青汁復活

　DPラウンジではドリンクのほか、カレーパンやおにぎりなどの軽食を用意。伊丹独自のパンとして、神戸「LE PAN」の「六甲山麓ミルクパン」などを提供する。

伊丹空港にリニューアルオープンするJALのダイヤモンド・プレミアラウンジのダイニングエリア＝19年3月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　また、リニューアル工事前にDPラウンジで提供していた健康飲料「青汁」が復活。工事完了まで使用している暫定DPラウンジは、スペースの関係で青汁の機器が置けず、提供を中断していた。JALによると、健康志向もあって復活を希望する声が多かったという。

　アルコール類は、両ラウンジともビール4種類と国産ウイスキーをそろえるが、銘柄で差別化。DPラウンジはキリンの「プレミアム一番搾り」やアサヒの「ドライプレミアム豊醸」、サントリー「ザ・プレミアム・モルツ」、サッポロ「エビスビール」とプレミアムビールを用意し、ウイスキーは「知多」（サントリー）を提供する。

　一方、サクララウンジのビールは、キリン「一番搾り」とアサヒ「スーパードライ」、サントリー「ザ・モルツ」、サッポロ「黒ラベル」と通常の銘柄で、ウイスキーは「ローヤル」（サントリー）を用意する。

専用保安検査場も

　JALの国内線ラウンジのリニューアルは、新千歳と那覇、広島、福岡、鹿児島、小松、松山、岡山に続き、伊丹は9番目。幹線空港では最後となり、現デザインコンセプトの集大成となった。各空港は地域の特色を織り込むなど、コンセプトをキープしながら差別化しており、「各空港の空間に合わせ、使うイスなどを変えている」（竹内氏）という。

　伊丹のラウンジ工事は、2018年5月22日に開始。DPラウンジは27日まで従来のサクララウンジへ移り、サクララウンジの利用者向けには、代替エリアとして「リフレッシュラウンジ」を提供している。競合の全日本空輸（ANA/NH）は、2月1日に伊丹のラウンジをリニューアルオープンしている。

　JALは今後、DPラウンジの利用資格を持つ人向けに、直結の専用保安検査場を今秋オープンする予定。また、ターミナル2階にファーストクラスカウンターを2019年度下期に設置を予定している。

＊写真は22枚（DPラウンジ→サクララウンジの順）。