ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は3月22日、リクライニング状態に固定した独レカロ製「プレリクライニングシート」を初採用したエアバスA320ceo(従来型A320)の24号機(登録記号JA824P)を、関西空港で公開した。同シートの採用は、日本など北東アジアのLCCでは初めて。
—記事の概要—
・離着陸時もゆったり
・唯一のシャークレット付A320ceo
離着陸時もゆったり
ピーチが採用したシートは、レカロのSL3510。背もたれが15度倒れた状態で固定された「プレリクライニングデザイン」で、離着陸時もリクライニング状態で過ごせる。座席数は既存機と同じ1クラス180席で、シートピッチは約29インチ(約74センチ)となる。
シート選定にあたり、ピーチは主要顧客層と同じ20代から30代の女性社員を中心に、部門横断型プロジェクトチームを2017年4月に発足。利用者アンケートなどで調査したところ、前席の乗客が背もたれを倒すと目の前の空間が狭くなって圧迫感を感じたり、テーブルが使いづらくなることを不満に感じる声が多かったことから、座り心地や耐久性、整備性などを考えて選定したという。
レカロによると、スリム化により足もとのスペースも広くし、従来の同社製シートと比べて居住空間が10%から15%広くなった。また、可動部分が減少することで耐久性や整備性が向上し、座り心地も背もたれを倒した状態に合わせて最適化しているという。
唯一のシャークレット付A320ceo
ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のピーチは、2012年3月1日に就航。シートはプレリクライニングシートで4代目となった。今年度末をめどに、同じくANAHD傘下のバニラエア(VNL/JW)と統合することから、バニラが運航している15機のA320もコックピットや塗装、内装をピーチ仕様に順次改修していく。
24号機は、もともとバニラの16号機として発注されていた機体で、従来のピーチ機にはない翼端の「シャークレット」が特徴。長さ約2.4メートルで、燃料消費を約4%改善する。客室側にはピーチのロゴをデザインした。
シャークレットは、これまで翼端に備えられていた「ウイングチップ・フェンス」に替わるもの。燃費を向上させるだけではなく、航続距離を約100海里(約185キロメートル)延ばし、ペイロードを最大450キログラム増加させる効果がある。ピーチのA320はこれまで、機材の仕様統一で整備コストを抑えるため、シャークレットは装備していなかった。
ピーチによると、今後導入するA320ceoにもプレリクライニングシートを採用するが、シャークレット付きの同型機は24号機のみ。2020年度から受領が始まる26機のA320neoと、中距離国際線用に導入する2機のA321LRの計28機は、シャークレットを装備する。
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