中部空港(セントレア)で3月19日、制限区域内での自動運転の実証実験が行われた。10人乗りの電気バスを使い、国際線のバスラウンジから駐機場へ乗客を運ぶことを想定し、往復約2キロを最高速度約25キロで走った。
国土交通省航空局(JCAB)では、空港のグランドハンドリング業務の人手不足対策として、2018年6月に空港の制限区域内での自動走行実験の公募を開始。9月に選ばれた8グループの企業により、羽田と成田、中部、仙台の4空港で運転席に運転手が座る「自動運転レベル3」の実証実験が12月からスタートし、中部は4番目となった。
中部での実験は、丸紅(8002)と自動運転やロボット技術を手掛けるZMP(東京都文京区)の合弁会社であるAIRO(東京都中央区)が、18日から20日までの3日間実施。AIROには丸紅(8002)が66%、ZMPが34%出資しており、ZMPが開発したバスタイプの自動運転電気自動車「RoboCar Mini EV Bus」を使用する。
Mini EV Busは、中国ANKAI社製の電気バスをベースに開発。ZMPの自動運転車両は、道路には一切手を加えず、車両のみで自動運転を実現する「車両自律型」であることが特徴で、GPSや車体に5つ装備したLIDAR(ライダー)のセンサーから走行位置を割り出し、事前に記憶させた地図やルートに従って走る。緊急時には、運転手がハンドルやブレーキなどを操作すると、自動走行から手動走行に切り替わる。
ZMP取締役の市橋徹氏は「空港は子供の飛び出しなどもなく、車両を運転しているのもプロのドライバーなので、実用化はしやすいのではないか」と語った。
AIROは、成田空港でもミニバンタイプの車両を使い、貨物機のパイロットを駐機場から20分ほど離れたターミナルへ送迎する実証実験も1月に実施。今後は、貨物コンテナを積んだ「ドーリー」をけん引する、トーイングトラクターの自動運転化も検討するという。
JCABでは、2020年の実用化に向けて実証実験の成果などを検証していく。
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空港での自動運転
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