企業, 空港 — 2019年3月20日 09:10 JST

中部空港、連絡バスの自動運転実験 道路改良せず制限区域走行

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 中部空港(セントレア)で3月19日、制限区域内での自動運転の実証実験が行われた。10人乗りの電気バスを使い、国際線のバスラウンジから駐機場へ乗客を運ぶことを想定し、往復約2キロを最高速度約25キロで走った。

中部空港の制限区域を走行する自動運転の電気バス=19年3月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 国土交通省航空局(JCAB)では、空港のグランドハンドリング業務の人手不足対策として、2018年6月に空港の制限区域内での自動走行実験の公募を開始。9月に選ばれた8グループの企業により、羽田と成田、中部、仙台の4空港で運転席に運転手が座る「自動運転レベル3」の実証実験が12月からスタートし、中部は4番目となった。

 中部での実験は、丸紅(8002)と自動運転やロボット技術を手掛けるZMP(東京都文京区)の合弁会社であるAIRO(東京都中央区)が、18日から20日までの3日間実施。AIROには丸紅(8002)が66%、ZMPが34%出資しており、ZMPが開発したバスタイプの自動運転電気自動車「RoboCar Mini EV Bus」を使用する。

 Mini EV Busは、中国ANKAI社製の電気バスをベースに開発。ZMPの自動運転車両は、道路には一切手を加えず、車両のみで自動運転を実現する「車両自律型」であることが特徴で、GPSや車体に5つ装備したLIDAR(ライダー)のセンサーから走行位置を割り出し、事前に記憶させた地図やルートに従って走る。緊急時には、運転手がハンドルやブレーキなどを操作すると、自動走行から手動走行に切り替わる。

 ZMP取締役の市橋徹氏は「空港は子供の飛び出しなどもなく、車両を運転しているのもプロのドライバーなので、実用化はしやすいのではないか」と語った。

 AIROは、成田空港でもミニバンタイプの車両を使い、貨物機のパイロットを駐機場から20分ほど離れたターミナルへ送迎する実証実験も1月に実施。今後は、貨物コンテナを積んだ「ドーリー」をけん引する、トーイングトラクターの自動運転化も検討するという。

 JCABでは、2020年の実用化に向けて実証実験の成果などを検証していく。

中部空港の制限区域を走行する自動運転の電気バス(右)=19年3月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

中部空港の制限区域を走行する自動運転の電気バスの車内=19年3月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

中部空港の制限区域を走行する自動運転の電気バスの車内=19年3月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

中部空港の制限区域を走行する自動運転の電気バスの運転席=19年3月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

中部空港での実証実験に使用する自動運転の電気自動車「RoboCar Mini EV Bus」=19年3月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
中部国際空港 セントレア
丸紅
ZMP
国土交通省

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