スカイマーク(SKY/BC)の佐山展生会長は3月18日、エチオピア航空(ETH/ET)のボーイング737 MAX 8の墜落事故の原因について、早期の解明を求めた。スカイマークは後継機材の選定を進めており、737 MAXの導入も検討している。
スカイマークは現在、737-800を27機保有。年内に2機受領予定で、29機体制を構築する。一方で、737-800が年内に生産終了となる見通しであることから、後継機は737 MAXとエアバスA320neoの両ファミリーを軸に検討する。
737 MAXは墜落事故の影響により、ボーイングがこれまでに納入した370機以上が各国で運航停止となっている。佐山会長は「原因究明できず、370機が止まった状態では(737 MAXを)契約できない」と述べ、737 MAXの事故による後継機選定への影響が「ないわけではない」とした。
スカイマークは、後継機を2021年から2022年をめどに導入する。佐山会長は「いつまでも待つわけにはいかない」と述べ、事故原因の早期解決を求めた。
737 MAXの墜落事故は現地時間10日に発生。エチオピア航空のアディスアベバ発ナイロビ行きET302便(737 MAX 8、登録記号ET-AVJ)が離陸後間もなく墜落し、乗客乗員157人全員の死亡が確認された。737 MAXとしては2018年10月29日に起きたインドネシアのライオン・エア(LNI/JT)のジャカルタ発パンカルピナン行きJT610便(737 MAX 8、PK-LQP)に次ぐ2例目の事故で、2件とも現時点で原因は判明していない。
事故機のフライトレコーダー(DFDR)とボイスレコーダー(CVR)は、BEA(フランス航空事故調査局)がパリで調査を進めている。
事故原因としては、ボーイングが737 MAXで新たに採用した機体制御システム「MCAS」に何らかの異常があるとの見方が強まっている。
日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が、737 MAX 8を2021年度から2025年度にかけて最大30機受領するが、現時点で運航している航空会社はまだない。
関連リンク
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ボーイング・ジャパン
737 MAX墜落事故
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