エアライン, 空港 — 2019年3月15日 20:39 JST

下地島空港ターミナル、30日開業 “風通し”でリゾート演出

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 3月30日に下地島空港のターミナルを開業する下地島エアポートマネジメント(沖縄・宮古島市、SAMCO)は15日、開業前のターミナルを報道関係者に公開した。宮古空港と合わせ、域内2つ目の空港となる。開業と同時に、ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)が約24年ぶりとなる定期便の運航を開始する。

3月30日に開業する下地島空港ターミナル=19年3月15日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

*竣工式典の記事はこちら

—記事の概要—
宮古空港から20キロ
片岡社長「リゾートホテルのよう」
94年以来の定期便

宮古空港から20キロ

 宮古島市に属する下地島と宮古島は、伊良部大橋を経由して陸路でつながっている。下地島空港と宮古空港とはおよそ20キロ離れている。ターミナルは「みやこ下地島空港ターミナル」と命名し、宮古域内に属することをアピールする。

 12カ所あるチェックインカウンターは各社共通で、航空会社を固定せず使用時のみ割り当てる。また共通のチェックイン端末を備えることで、新たな航空会社の乗り入れにも対応する。このほか、自動チェックイン機を5台設置する。

 保安検査場は国内線と国際線共通で、どちらも同じ保安検査を受ける。保安検査レーンは2レーンで、将来的には4レーンまで増加できるようにする。国際線はボディスキャナーを別途通過し、出発エリアへ進む。

 飲食店は一般エリアに1カ所、国内・国際共通の制限エリアに2カ所。いずれも地元の食材を使用し、サンドイッチなどを提供する。物販店は一般エリアに1カ所、制限エリアに2カ所設ける。制限エリアのうち1店舗は免税店で、国際線出発エリアで営業する。国際線利用の場合、飲食や免税品以外の物販購入は共通エリアで済ませる必要がある。

 飲食エリアからは中庭にアクセスできる。中庭は駐機場に面しており、一部をガラス張りとすることで、写真撮影もできるようにする。

 搭乗ゲートは国内線2カ所、国際線1カ所の計3カ所。到着ロビーは国際線と国内線に1カ所ずつ設ける。搭乗橋(PBB)は設置せず、タラップ車で搭乗・降機する。SAMCOで企画部長を務める平野敦士常務によると、降機時に“リゾート”を感じてもらえるよう、タイのサムイ空港などを参考にしたという。

 レンタカーの受付カウンターは3カ所で、オリックスレンタカーとOTSレンタカー、トヨタレンタカーの3社が利用できる。ターミナル外に琉球銀行と外貨両替のATMを1台ずつ設置。このほか、バスとタクシーの乗降場を設ける。

 敷地面積は3万1580平方メートルで、延床面積は1万2027平方メートル。旅客エリアは地上1階の平屋建て。ターミナルは“空港からリゾートはじまる”をコンセプトとし、建物は窓を大きく開けて風の通り道を作ることで、リゾート感を演出する。屋根には木材を使用し、コンクリート製のものよりも断熱性を高めた。

風の通り道を設けリゾート感を演出する下地島空港ターミナルのチェックインエリア=19年3月15日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

下地島空港ターミナルの国内・国際共通の制限エリアに設ける飲食店=19年3月15日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

片岡社長「リゾートホテルのよう」

下地島空港ターミナルの仕上がりに満足した様子を見せるジェットスター・ジャパンの片岡社長=19年3月15日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 開業日となる3月30日には、ジェットスター・ジャパンが定期便を開設。成田から週4往復乗り入れ、初日から4月8日までと、30日から5月6日までのゴールデンウイークは1日1往復運航する。ジェットスターは7月3日から関西-下地島線を開設するほか、同月19日からは、LCCの香港エクスプレス航空が香港から週3往復での乗り入れも計画している。

 3カ月ぶりに下地島空港を訪れたジェットスター・ジャパンの片岡優社長は、「当時は工事の真っ最中で重機などが多かった。今はリゾートホテルのような素晴らしいターミナルができている」と満足した様子で語った。

 片岡社長によると、成田線は2018年11月に売り出し、1週間で3000席以上を販売。関西線は3月13日に販売を開始し、2日間で2800席以上を売ったという。搭乗率は全社平均の80%台後半を上回るとの見通しを示した。

94年以来の定期便

 下地島空港は1979年7月5日に開港。地方管理空港で、滑走路は3000メートル×60メートル(RWY17/35)が1本、スポット(駐機場)は大型機用が5つ、中型機用が1つ、利用時間は午前8時から午後7時30分まで。

 島全体が空港用地となっており、国内唯一の民間ジェット機の訓練空港として利用されてきたが、日本航空(JAL/JL、9201)が2011年度まで、ANAが2013年度までで撤退している。2017年には、バニラエア(VNL/JW)が訓練を実施した。

 定期便は、1994年7月22日に日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)が那覇-下地島線を運休して以来、乗り入れていない。

 2017年10月からは、三菱地所(8802)などがLCCやビジネスジェットの誘致に向け、旅客ターミナルの整備を進めている。ターミナルを運営するSAMCOは三菱地所が設立した。

*写真は8枚。

下地島空港ターミナルのチェックインカウンター=19年3月15日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

下地島空港ターミナルの国際線保安検査場入り口=19年3月15日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

下地島空港ターミナルの国内線出発口=19年3月15日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

駐機場に面する下地島空港ターミナルの中庭=19年3月15日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

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