3月10日に2件目の墜落事故が起きたボーイング737 MAXに対し、EASA(欧州航空安全局)は現地時間12日、欧州での同型機の飛行を一時停止する措置を取った。安全が確認されるまでの一時的なものとしている。

EASAが欧州での飛行停止措置をとった737 MAX=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
10日に墜落したのは、エチオピア航空(ETH/ET)のアディスアベバ発ナイロビ行きET302便(737 MAX 8、登録記号ET-AVJ)で、乗客乗員157人全員が死亡。2018年10月29日に起きたインドネシアのLCC大手、ライオン・エア(LNI/JT)のジャカルタ発パンカルピナン行きJT610便(737 MAX 8、PK-LQP)に続き、2件目の墜落事故となった。
EASAはすべての737 MAX 8と737 MAX 9に対し、機体の安全性を確保するための整備や改修を指示する「耐空性改善命令(AD)」を12日に発行。正確な原因が調査中である中での暫定措置として、UTC(協定世界時)で12日午後7時(日本時間13日午前4時)から商業運航を禁じた。フェリーフライト(回航)については、最大3フライトサイクルまでに限り認める。
737 MAXに対しては、FAA(米国連邦航空局)が設計変更を指示するADを、4月までに発行する見通し。ボーイングが737 MAXで新たに採用した操縦特性を向上させる新システム「MCAS: Maneuvering Characteristics Augmentation System」の機能強化などを指示するもので、ボーイングはこれに合わせてマニュアルなどを改訂する。
関連リンク
Federal Aviation Administration [1]
Boeing [2]
ボーイング・ジャパン [3]
Ethiopian Airlines [4]
Ethiopian Airlines [5](Twitter)
ET302便事故
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