ボーイングは、50年前に「ジャンボ」の愛称で親しまれる747が初飛行したことを記念し、特設サイトを用意して動画などを公開している。
—記事の概要—
・1572機受注
・博物館公開や旧塗装復活
1572機受注
747は1969年2月9日に初飛行し、1970年1月22日に当時のパンアメリカン航空(パンナム)がニューヨーク(JFK)-ロンドン(ヒースロー)線に就航させた。米空軍が1960年代に計画した大型戦略輸送機プロジェクト「CX-HLS」で、ボーイング案はロッキードのC-5「ギャラクシー」に破れたものの、同社は設計を発展させて民間機の747を開発した。
50年前のちょうど今日、#ボーイング 747型機が初めて大空を飛びました。世界中のファンが「ジャンボ」への想いをここ(https://t.co/Suwjvnfx23)で共有しています。シアトルから届いた動画には、「空の女王」がスペースシャトルを背中に乗せて飛行する圧巻のシーンもありますよ!#WhyILoveThe747 pic.twitter.com/WDKUwNfN7k
— Boeing Japan (@BoeingJapan) 2019年2月9日
2018年12月末時点で、747ファミリーは1572機受注し、1548機を引き渡し済み。現行機は旅客型の747-8「インターコンチネンタル」と貨物型の747-8Fで、ともに米GE製新型エンジンのGEnx-2Bを4基搭載。ボーイングでは新設計の主翼などと合わせて、従来の747-400と比較して燃費を改善し、騒音は30%軽減、二酸化炭素排出量は15%削減出来るとしている。
747-8の受注は旅客型が47機、貨物型が107機。747ファミリーの受注残24機はすべて747-8Fで、エンジンが1基停止しても洋上飛行が一定時間可能な「ETOPS(イートップス)」で許容する飛行時間が伸びるとともに、旅客機は777などの双発機が主流となっている。
こうした流れを受け、ボーイングは2016年7月に、747-8の受注が今後見込めない場合は製造中止を検討することを明らかにしている。
博物館公開や旧塗装復活
ボーイングの受注リストによると、日本へは日本航空(JAL/JL、9201)に108機、JALグループで台湾路線など担った日本アジア航空(JALに吸収)に1機、全日本空輸(ANA/NH)に45機、日本貨物航空(NCA/KZ)に24機が引き渡されたほか、政府専用機として2機が導入され、合わせて180機が納入された。
JALは2011年10月19日、ANAは2014年3月31日を最後に退役させており、現在日本国籍で運航中の747は政府専用機とNCAの貨物機のみ。政府専用機も2018年度をもって退役し、4月からは777-300ERをベースとする次期政府専用機が引き次ぐ。海外の航空会社も退役が相次いでおり、、KLMオランダ航空(KLM/KL)やキャセイパシフィック航空(CPA/CX)、ユナイテッド航空(UAL/UA)、デルタ航空(DAL/DL)などが日本路線での運用を終えている。
こうした中、デルタ航空(DAL/DL)は初の747-400となる同社の初号機(登録記号N661US、機体番号6301)を、2017年3月からアトランタの本社内にあるデルタ航空博物館で公開。合併前の旧ノースウエスト航空が1985年10月22日に発注し、1989年12月に引き渡された機体で、ラストフライトは2015年9月9日のホノルル発アトランタ行きDL836便だった。
博物館での公開に合わせ、747の機体構造がわかるよう、デルタの整備部門「Delta TechOps(デルタ・テックオップス)」のスタッフが展示用に改装。天井の一部を露出し、床も一部をガラス張りにした。断熱材や配線、空調ダクトなど、旅客機に不可欠なものを見ることができる。
ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)は前身のBOAC(英国海外航空)塗装を747-400(登録記号G-BYGC)で復活させると今年1月に発表。747が退役する2023年までの運航を予定している。
*写真は10枚
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