エアライン, 官公庁 — 2019年2月1日 19:46 JST

JAL、徳之島で「ワーケーション」実証 目前の海で「自由な発想」

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 日本航空(JAL/JL、9201)は2月1日、滞在先での一部時間を仕事に充てる「ワーケーション」に参加したグループ社員の報告会を、東京・天王洲のJAL本社近くにある「JALイノベーションラボ(JAL Innovation Lab)」で開催した。報告会では、気分を一新することにより、業務効率化につながるなどの意見が聞かれた。JALは今後、ワーケーションなどを通じ「働き方改革」の浸透を図る。

—記事の概要—
ネット利用し滞在先で業務
ワーケーションで仕事の質向上
働き方改革で残業減

ネット利用し滞在先で業務

「ワーケーション導入で業務を効率化できる」と話すJALの東原さん(左)=19年2月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 ワーケーションは「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、JALでは2017年夏に開始。導入により、宿泊を伴う休暇中に会議などが発生した場合、オンラインで参加することで休暇を中止することなく、旅行を完遂できるようになった。

 今回のワーケーションは、鹿児島県徳之島町と富士ゼロックス鹿児島が企画する「徳之島ワーケーション実証事業」に、JALが参画。島内にある施設「みらい創りラボ・井之川」に設置した仕事スペースで、インターネット回線を通じて働く。今回の実証では、地方でのワーケーションの持続可能性を探る。

 徳之島で2018年11月下旬から12月上旬かけて実施したワーケーションには、JALグループ社員と家族が参加。参加希望者はおよそ30人で、その中から選ばれた10人の社員が島を訪れ、3泊4日を過ごした。滞在中はインターネットを通じて会議に参加するなど、仕事と休暇の両立を図った。

 参加者は4日間のうち、おもに2日間ずつ半日程度を勤務時間に充てた。残りの時間は島内を巡り、機織り体験や闘牛などの観光や、油そうめんなどの名物料理、地元の人々との交流を楽しんだ。

 ワーケーションを体験した参加者の1人は、オンとオフの切り替えができたことで業務の効率化につながると話した。また、海に面した同施設では「気分のデトックス」にもつながったという。

 ほかの参加者は、自然を目の前にした環境により「普段出ない自由な発想が浮かぶ」と振り返り、新規事業のプロジェクトなど、自由な議論を必要とする事業に適しているとした。

ワーケーションで仕事の質向上

 今回のワーケーションを進めた、JAL人財戦略部ワークスタイル変革推進グループでアシスタントマネジャーを勤める東原祥匡さんは、「ワーケーションの導入により、業務を効率化できる」と話し、仕事の質向上につながるとした。

 東京など、自分の拠点を離れることにより「自分を客観視し、頭の中を整理できる」とし、海など自然を目の前にすることでリフレッシュできる、と話した。

 東原さん自身も、シンガポールや福岡など、各地でワーケーションを導入済み。休暇を取りながら働くことについて「目の前に休暇が迫っていると頑張れる」と話し、メリハリのある働き方ができるとした。

働き方改革で残業減

 JALでは2015年度から働き方改革に取り組み、在宅勤務など「テレワーク」の導入に力を入れている。JAL単体でのテレワーク導入実績は、2014年度の50人日から、2015年度は1704人日、2016年度は2922人日、2017年度は5702人日と大幅に伸びている。有給休暇の取得率は、2015年度が73%、2016年度が85%、2017年度が90%となっている。

 一方で、時間外労働時間は減少。2015年度は月平均で11.4時間だった残業時間は、2017年は7.9時間となった。

 JAL単体での夏休み期間のワーケーションは、2017年度の11人日に対し、2018年度は78人日に増加している。

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