非営利法人のシンクタンク・日本生産性本部サービス産業生産性協議会は2月1日、国内最大級の顧客満足度調査「2018年度版JCSI(日本版顧客満足度指数)調査」のうち、国際航空部門の指標「顧客満足」で、初の1位を獲得した全日本空輸(ANA/NH)に盾を贈った。昨年11月に発表されたもので、1日は都内のANA本社で授賞式が開かれた。
同調査は顧客満足度のほか、顧客期待(利用時の期待・予想)、知覚品質(利用した際の品質評価)、知覚価値(価格への納得感)、推奨意向(他者への推奨)、ロイヤルティ(継続的な利用意向)の6項目を設定し、各項目を7点または10点を満点とする複数設問で調査する。すべてが満点の場合を100点、すべて1点の場合は0点として、業界や企業を多面的に評価する。
ANAは、顧客満足が100点満点中77.6点、顧客期待が77.0点、知覚品質が76.6点、ロイヤリティが74.8点、知覚価値が74.4点、推奨意向が73.6点で、6指標すべてトップとなった。日本生産性本部の澤田潤一理事は、「お客様の声がそのまま1位につながっている。国際航空部門で6冠はANAが初めて」と述べた。
ANAの平子裕志社長は、「国際線は参入当初は赤字で、毎年やめようかという議論があった。あのとき国際線をやめていたら、この受賞はなかった。すべての項目でトップを達成できたのは、望外の喜びだ」と感想を語った。
11月に発表された調査結果によると、顧客満足の2位は76.3点のシンガポール航空(SIA/SQ)で、昨年1位だった日本航空(JAL/JL、9201)は75.3点で3位に後退。4位は68.7点のタイ国際航空(THA/TG)、5位は67.5%キャセイパシフィック航空(CPA/CX)だった。
調査対象となったのは、5社のほかはアシアナ航空(AAR/OZ)、大韓航空(KAL/KE)、デルタ航空(DAL/DL)、ユナイテッド航空(UAL/UA)の計9社。調査期間は2018年8月15日から9月19日までで、インターネット・モニターを用いた調査が行われた。回答依頼は1人1企業・ブランドで、総回答者数は2万7300人だった。
国内航空部門は、スターフライヤー(SFJ/7G、9206)が10年連続で1位を獲得。2位は77.1点のスカイマーク(SKY/BC)、3位は75.3点のANAだった。
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全日本空輸
サービス産業生産性協議会
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