エアライン — 2019年1月9日 10:37 JST

ANAウイングス機長、副操縦士に口裏合わせ依頼 飲酒で虚偽報告

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 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下で地方路線を担うANAウイングス(AKX/EH)の40代男性機長から乗務前にアルコールが検出され、1月3日の国内線5便が遅れた問題で、機長が規定時間や飲酒量を超えて酒を飲んでいたことに加え、同席した30代男性副操縦士に口裏合わせを依頼していたことがわかった。

アルコール反応が出た機長が副操縦士に口裏合わせを依頼していたANA=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 機長は全日本空輸(ANA/NH)からの出向者で、3日はボーイング737-800型機に乗務し、国内線3便を運航予定だった。社内調査に対し、当初は酒を飲んでいたのは乗務前の飲酒禁止期間にあたる乗務12時間前の2日午後7時までで、飲酒量は副操縦士と缶ハイボール(350ミリリットル)2本を滞在するホテルの自室で飲み、いずれも規定内だったと説明していた。

 しかし、8日に完了した社内調査で、機長は副操縦士とともに2日午後6時すぎから大阪市内の飲食店で飲み始め、午後10時ごろ店を出たことが判明。機長の飲酒量はビールとハイボールなど計4杯で規定上限の約2倍にあたり、虚偽報告をしていたことがわかった。

 副操縦士はANAウイングスの社員で、機長から口裏合わせを依頼された。ANAによると、2人はすでに乗務から外しているという。

社内調査に対するANAウイングス機長の報告内容の変遷(ANAの発表を基にAviation Wire作成)

 3日は機長が乗務予定だった3便に加えて乗員繰りで2便も遅れ、合わせて国内線5便が遅延。もっとも遅れた便は、那覇午前10時40分発予定の伊丹行きNH762便(乗客155人、うち幼児4人)で、1時間44分遅れた。

 ANAウイングスでは、昨年10月25日にも当時機長だった40代男性が飲酒で体調不良になり、国内線5便が遅延。11月6日付で諭旨退職処分を受けた。ANA本体では、10月2日に当時パリ支店長兼ブリュッセル支店長だった50代男性がビジネスクラスでワイン6杯を飲み、乗客にけがをさせて諭旨解雇処分となっている。

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