国際観光旅客税(出国税)の徴収が、1月7日からスタートした。海外へ出国する人から1人あたり1000円徴収するもので、日本人も対象。航空券を発券する際、運賃や空港施設利用料などとともに徴収する「オンチケット方式」を採用した。
対象となる航空券は、7日以降に発券かつ搭乗分。税額は大人と子供が同額で、2歳未満の幼児は非課税になる。プライベートジェットなどは、利用者が搭乗するまでに税関へ納付する。
財務省によると、年間430億円程度の税収が見込まれるという。国が掲げる2020年の年間訪日旅客数4000万人、2030年の6000万人達成に向け、快適に旅行できる環境の整備や、訪日客が日本の魅力などの情報を簡単に入手できる体制作り、地方滞在時の満足度向上などに充てていく。
また、同省では出国税の使途について、受益と負担の関係から納税者の納得が得られることや、先進性が高く費用対効果が高い取り組みであること、国が直面する重要な政策課題に合致することを挙げ、無駄遣いをけん制している。
税額を1人1000円とした背景については、アジア諸国で徴収している類似の税が1000円から2000円程度であることや、観光施策の財政需要を勘案したという。2016年度の出国者数である外国人2580万人、日本人1749万人に基づくと、年間約430億円の税収になる。
一方、オンチケット方式に対しては乗客の都合で航空券をキャンセルした場合、航空会社によっては出国税に相当する額を返金しない可能性もある。出国税は航空会社の収入ではなく、税の代行徴収であることから、税の使い道だけでなく運用面でも国や国民による監視が求められる。
2018年1年間の訪日客は、12月18日に3000万人を突破した。
関連リンク
国際観光旅客税の創設について(財務省)
国際観光旅客税の概要(財務省)
国際観光旅客税について(国税庁)
・18年訪日客、3000万人到達 国交相「魅力の発信強化」(18年12月18日)
・出国税、地方誘客に活用へ 石井国交相「通信や交通に充当」(18年12月18日)
・出国税、1月7日スタート 日本人も対象、出国時に1000円(18年12月15日)