エアライン — 2019年1月2日 10:05 JST

JAL赤坂社長、飲酒問題で安全強化「今年最初の仕事」

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 日本航空(JAL/JL、9201)の赤坂祐二社長は1月1日、パイロットや客室乗務員の飲酒問題が昨年起きたことを受け、今年度内に対策を実施する考えを示した。自らが委員長を務める社内の検証委員会で課題を洗い出し、安全対策を講じる。

安全対策を強化すると語るJALの赤坂社長=19年1月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 1日に羽田空港で報道各社の取材に応じた赤坂社長は、「あってはならない問題で痛恨の思い。ただアルコールを制限する対症療法だけではだめで、われわれの安全文化を根本から見直す必要がある。問題を根っこから絶つのが、2019年最初の仕事になる」と、安全強化に対する決意を述べた。

 一方、こうした問題が発生した背景に、2010年1月19日の経営破綻以降、再生していく中で無理が生じていたのでは、との見方もある。赤坂社長は、「また元に戻ってはいけない、失敗してはいけないと、社員の気持ちに焦りのようなものがあり、今回の件も無関係ではないのではないか。そういうことも含めた対策が必要だと思う」と語った。

 また、これまで初日の出フライトには、前社長の植木義晴会長が毎年搭乗していた。しかし、昨年就任した赤坂社長は今回、飲酒問題を受けて自粛し、羽田での見送りと出迎えにとどめた。

 「元旦からたくさんの皆様にご搭乗いただき、感謝しかない。私は整備出身なのでいつも見送る側だった。整備の血が薄くなってから乗せていただきたい」と話した。

 監督する国土交通省は昨年12月21日に、パイロットの飲酒問題が相次いだことを受け、JALに対し事業改善命令、全日本空輸(ANA/NH)とANAウイングス(AKX/EH)、スカイマーク(SKY/BC)、日本エアコミューター(JAC/JC)の4社を厳重注意とした。いずれも1月18日までに、再発防止策を報告させる。

関連リンク
日本航空

初日の出フライト
JAL、羽田10年目の初日の出フライト 亥年CAが歴代制服(19年1月1日)
JAL、A350を6月受領へ  夏から国内線投入、パリ航空ショー出展か(19年1月1日)

飲酒問題
JAL、客室乗務員が機内で飲酒 昨年も疑い、本人は否定(18年12月25日)
国交省、JALに事業改善命令 ANAとスカイマークなど厳重注意 パイロット飲酒問題(18年12月22日)
JAL、アルコール感知機未使用163件 同一機長が7割弱、規定明記で再発防止(18年12月21日)
JAL、飲酒の副操縦士を懲戒解雇 禁錮10カ月、赤坂社長ら減給(18年11月30日)
JAL飲酒副操縦士「酒は飲んでいない。マウスウォッシュだ」 国交省に報告書と防止策提出(18年11月16日)

18年度入社式
JAL赤坂新社長「安全は全員で守っていくもの」18年度入社式(18年4月2日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post
キーワード: