関西と伊丹、神戸の3空港が果たす役割について、自治体や国土交通省航空局(JCAB)、地元財界などが議論する「関西3空港懇談会」(座長・松本正義関西経済連合会会長)が12月24日、大阪市内で8年ぶりに開かれた。関空の機能強化をはじめ、伊丹や神戸の運用時間緩和や国際線就航など、従来からの課題に対して意見交換したものの結論は出ず、来春に次回の会合を予定している。
空港懇の開催は、2010年4月12日の第7回以来8年ぶり。大阪府の松井一郎知事や兵庫県の井戸敏三知事、神戸市の久元喜造市長、JCABの蝦名邦晴局長、3空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長らが出席した。懇談会後に会見した松本座長は、関空の年間発着回数23万回の引き上げや、伊丹の国際チャーター便緩和、伊丹・神戸の運用時間拡大などの要望が出たという。
国際線の規制緩和を求める声が出た伊丹について、松本座長は「遅延便対策が先ではないか。10分、20分遅れて関空へ飛んでいかなければならないのは、やめましょうということ。ある程度のレンジで認めることを、利用者目線で考えようということ」と、現在は午後9時までとなっている伊丹について、到着が遅れた際の対応から検討する方針を示した。
神戸については、「プライベートジェットや国際チャーターを拡大して欲しいという意見はかなりあった」(松本座長)と述べる一方、「定期便はかなり先になるだろう」と語った。
また、関西圏の訪日客の玄関口で、9月の台風で打撃を受けた関空の今後については、「3空港の中で、圧倒的なポテンシャルを持つ基幹空港。山谷社長が口頭で説明されたが、次回は書面で説明いただくことになると思う」と述べた。
懇談会後、記者団の取材に応じた山谷社長は、「関空が3空港の中核であり機能不全はあり得ない」と、災害対策を強化する意向を示した。
災害時は山谷社長が意思決定
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特集・台風で顕在化した関空経営陣の課題
前編 「もう貨物は戻ってこないかも」
後編 「“素人判断”もうやめて」
9月21日から通常運航
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7日から暫定運用
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