ボーイングは現地時間12月15日、中国・浙江省舟山市に新設された「737型機最終仕上げ&引き渡しセンター(737 Completion and Delivery Center)」から中国国際航空(エアチャイナ、CCA/CA)へ、737 MAXを初めて引き渡したと発表した。
今回納入されたのは、737 MAXファミリーの標準型である737 MAX 8。米ワシントン州レントン工場で最終組立後、舟山センターで最終仕上げが行われた。COMAC(中国商用飛機)との合弁事業で、40万平方メートルの敷地に建設された同センターは、浙江省と舟山市の協力を得て、ボーイングの同様の施設では初めて米国外に建設された。
舟山センターは総面積6万2000平方メートルで、長距離型の737 MAX 7から座席数の多い737 MAX 10まで、737 MAXファミリー全機種に対応するよう設計。737の全新造機うち、3分の1が中国の航空会社へ引き渡される中、同センターを開設することで、中国の航空会社が機材を更新したり増やす際に、ボーイング機を採用してもらう狙いがある。ライバルのエアバスは、天津にA320ファミリーの最終組立工場を2008年に開設している。
中国の航空会社へ引き渡される737 MAXは、最終組立工場があるシアトルから舟山へ飛行し、最終仕上げセンターで内装作業を実施。業務内容は今後拡大を計画しており、塗装ハンガー(格納庫)を3棟増設して、塗装工程も担うようになる。仕上げを終えた737 MAXは、隣接する引き渡しセンターに移動され、受入検査や納入手続きが行われる。
ボーイングでは、中国は世界最大の民間航空機市場になりつつあるとみており、最新の「民間航空機市場予測(Commercial Market Outlook, CMO)」で、中国の今後20年間の新造機需要は機数ベースで7680機(金額ベースで1兆2000億ドル)、増加する国内線用機材をサポートするサービス市場は1兆5000億ドルにのぼると予測している。
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