航空会社名や行先、出発時刻などがパタパタと変わる反転フラップ式案内表示機、通称“パタパタ”が、夏ダイヤ最終日となった10月27日を最後に、仙台空港から姿を消した。翌日からは増加する訪日外国人客に対応した、多言語の新発着案内システムへ移行したが、旅の風情が感じられるパタパタを懐かしむ声は、今も聞かれる。
反転フラップ式案内表示機は、開発した伊ソラリー社の社名から「ソラリー式」、表示がパタパタと音を立てて変わることから「パタパタ式」などとも呼ばれ、空港や駅などの発着案内や時計などに使われてきた。
仙台空港の反転フラップ式案内表示機は、現在の旅客ターミナルがオープンした1997年から使用。2階出発階の保安検査場入口上の壁面や搭乗口などに設置し、初代を引退まで21年間使い続けたものだった。
かつては空港の発着案内と言えばパタパタだったが、訪日客の増加や維持管理の関係で、近年は液晶パネルなどを使ったデジタル式への移行が全国的に進んでいる。大規模な空港では、改修が進む伊丹などで姿を消しつつある。
では、仙台のパタパタはいまどうなっているのか。2階出発階にあった大型のものは、仙台銘菓「萩の月」の全面広告で覆われている。空港を運営する仙台国際空港会社によると、何らかの形でこのパタパタを保存したいとのことで、広告の下にはすべての表示が消えた状態で残してあるという。また、搭乗口にあったものも保管してあり、有効活用する案を検討している。
同社広報によると、「なくなってしまって寂しい、展示してもらえるとうれしい、といった声が寄せられている」という。
仙台は2019年7月1日に、民営化3周年を迎える。国管理空港として初めて民営化された仙台で、引退したパタパタを活用して空港のイベントを盛り上げたり、復興支援に役立ててほしいものだ。
パタパタ最終日
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仙台空港
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